テレビ番組テレポートプラス
安全な街づくりは 災害リスクの 共有から始まる
2021年の出水期に東北地方に接近した台風は1つ。
平年の2.7個より少なくなるなど、福島県内で大きな水害は起きなかったが九州地方などでは今年も水害が発生。万が一への備えは引き続き求められる。
<「流域治水」に盛り込まれた移転>
【流域治水】とは、大きな河川や小さな支流も含む「流域全体」のあらゆる関係者が一体となり洪水対策に取り組むこと。
その中には、浸水の恐れが高いエリアから低いエリアへの「移転」含まれる。
実際に、2年前の東日本台風で被害を受けた、いわき市では被災した住み慣れた地域を離れ、移転を決めたケースも。
しかし、大雨の影響で浸水被害に遭った人が移転を希望した場合、県内では現時点で国費によって移転費用が補助されたケースはなし。
一方、土砂災害特別警戒区域や災害危険区域に指定されたエリアからの移転費用を補助する制度はあり。
県内で唯一行っている、いわき市では土砂災害特別警戒区域などを対象に、移転の場合は最大518万5千円、改修の場合は最大75万9千円を補助。
毎年4月から5月の間に事前相談を受付けているが、利用があったのは1994年が最後。
過去25年以上にわたり活用した人はいない。
★福テレ防災アドバイザー松尾一郎さん解説★
被災した住民の多くは住み慣れた街を離れたくない。
危険な事があるとすれば、子どもたちを守るためにも移転の決断をする方もいる。
だから被災自治体のトップが、より安全な街にしていくんだというメッセージをいち早く示すことが重要になる。
移転の補助については、土砂災害で使えるところもあるが、これまで洪水・河川が氾濫した場合に使える仕組みはなかった。
2021年に改正された流域治水関連法案では、洪水で危険な集落を安全なところへ移転させる集団移転促進事業が法律で規定された。特定の河川を指定して活用出来るようになった。
まさに阿武隈川も支流決壊で災害あったので、国、県、市町村が連携し、住民にとって安全な街を作って行ってほしい。
◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。