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絶世の美女・小野小町 生誕伝説を深掘り キーパーソンは「小野篁」《もっと!ぐっと!小野町》
絶世の美女と言われる平安時代の歌人・小野小町。生誕伝説が残る福島県小野町で、そのいわれをひも解く。伝説を解くカギが「小野篁」という一人の人物だった。
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小町と小野町を繋ぐ小野篁
郷土史を研究する、小野町観光協会の二瓶晃一会長。「田村郡郷土史と言いまして、田村郡教育会という所が編集し明治37年に発行された物」と見せてくれた一冊の郷土史に"その人物"について詳しく記されているという。
「任明天皇のちょっと前の時代。小野篁(おのの たかむら)がこの地方に来て、色んな所で殖産興業をして、いわゆる町の元を作った。それをもって"小野の庄"という名前が付いた所以であると書かれている」と二瓶会長は続ける。
小野小町 誕生
小野篁。平安時代の貴族で、815年から850年の間「七里ヶ沢」といわれたこの地に都から赴いたとされている。
二瓶会長は「当時は、貴族・高貴な人達が来ると、地元の豪族たちの娘たちが周りのお世話をするとか、館に出ていた。その中で、小野篁が地元の愛子(めずらこ)という女性を見染めてそれで結ばれて、小野小町が生まれた」と説明する。
小町を連れ都へ帰る
しかし、小野篁は小野小町を連れて都に帰った。
「小野篁という人物の家もしくは地位もあり、こちらに来ても当然帰る日が来る。戻っていくことは、仕方がない運命だったのかなと思います」と二瓶会長。
愛子は一人、都に行った小野篁と小野小町の帰りを待ち、この地で亡くなったといわれている。
記録少なく 謎の人物
一方、都に行ったとされる小野小町について詳しいことは分かっていない。
二瓶会長は「小野小町に関する、いわゆる古文書として残っているものはない。実は全国的にそうであって、小町というのは記録が残っていないという事で謎の人物と言われています」と話す。
伝説が有力と考えるワケ
全国で100カ所以上あるとされる小野小町ゆかりの地。なかでも、小野町が有力と考える理由があると二瓶会長はいう。
「実は生まれたという伝承は多くない。その中で、小野篁の娘が小野小町であるという伝承は小野町だけ」
現代に現れた小野小町
さらに取材を進めると、昔から町民に小町と言われる女性がいた。
草野典子さん(83)は、63年前の「ミス小野町」だ。その美肌の理由を聞くと、草野さんは「(別にやってないんだよ。何かやっている?って言われるけど、何もやってないよって言うの。小野小町の影響と言ったら、その当時のDNAがいつまでも続いているんじゃないかと思うね」と話してくれた。
約1200年の時を越えて、現代まで語り継がれる小野小町の伝説。小野町の人が、小野小町を愛していることはたしかだった。