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変化と継承 騎馬武者一家がつなぐ伝統の祭り「相馬野馬追」

1000年以上続く、相馬地方伝統の相馬野馬追。約400騎の騎馬武者が、腰に太刀・背中に旗指物をつけ疾走する祭りは、地元の人にとって誇りだ。この相馬野馬追に「変化」と「継承」の両輪で臨む騎馬武者一家に密着した。

◇【動画で見る】動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

時代絵巻さながら

旗指物をなびかせた騎馬武者がその速さを競う甲冑競馬に、祭りのハイライト神旗争奪戦では、打ち上げられた御神旗を奪い合う。
1000年以上前に、平将門の軍事演習からはじまったといわれる相馬野馬追は、5月27日までの3日間、華々しく地域を彩った。

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特別な出陣に

出陣した騎馬会のひとつ「北郷騎馬会」で侍大将を務めた鈴木広美さん(55)。広美さんを筆頭とする鈴木家は、2024年は特別な思いで相馬野馬追に臨んだ。vlcsnap-2024-05-30-14h06m10s565.jpg

本番を1週間後に控えた5月19日午前4時。広美さんの姿は自宅の馬場にあった。長年ともに出陣してきた息子の勇志さんはもちろん、2024年は鈴木家からは2人の騎馬武者が出陣する。

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ベテランとルーキー

「乗るやつも年寄り、馬も年寄り」と話すのは、27年ぶりの出陣となる父・博章さん(82)。長年、行事の裏方に回っていたが「もう1人の騎馬武者」のサポートのためにと腰を上げた。それが、初出陣を目指す碧斗くん、5歳。年の差77歳の2人が、お互いに支え合いながら練習に励む。vlcsnap-2024-05-30-14h36m12s184.jpg

博章さんは「もう27年も馬にまたがってないんですよ、ブランクがまだ埋まらないもんで。碧斗が出るからじいじも出るのだからな、がんばれな」と話す。

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変化の中で臨む祭り

ベテランとルーキー、2人の騎馬武者を抱え、新たな気持ちで臨む2024年の相馬野馬追。猛暑による人や馬へ影響を軽減するため開催が2カ月前倒しされたという「変化」もある。

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広美さんは「もちろん4代って家の中では親子関係だけど、結局相馬野馬追の北郷としては、みんな個々の騎馬なので。2カ月前倒しで、人も馬も完璧ではないと思うので、それをうまく日頃の鍛錬の成果を出していただければ」と話した。

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伝統を継承

鈴木家にとっても相馬野馬追にとっても「変化」を迎える一方、広美さんには「守りたいもの」もあった。
広美さんの初陣は34年前。並み居る先輩騎馬武者たちに追いつきたいと願いながら、侍大将まで上り詰めたいま、身にまとうのは受け継がれた甲冑。「これは自分の先輩で、自分の親方的な人から受け継いだ」と広美さん。
伝統を身にまとい、若い騎馬武者たちに追いかけられる背中を目指す。

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続いていってほしい

3日間に渡って行われた相馬野馬追。
2日目・本祭りの甲冑競馬では、息子の勇志さんが1位に輝くなど鈴木家も存在感を見せつける。残念ながら、孫の碧斗くんは緊張で出陣を辞退してしまったが、侍大将としての広美さんは安堵の思いで満ちていた。

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「無事に全部行事も終了して、無事凱旋できたことが一番かなと。北郷全軍すべて無事に終わったことが一番の喜びですね。これをみて共感してくれる人がいれば、皆さんのお手伝いをしていきたいと思います。みんな続いていって欲しいと思いますので」と広美さんは語った。

伝統はまた新たなステージへ。鈴木一家の侍としての歴史はこれからも続く。

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