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防災大百科

途方に暮れるほどの被害 新潟・福島豪雨被災者の防災対策 防災グッズの備えと心構えが重要

誰もが大雨による被害を受ける可能性があるいま、その経験から学ぶことも大切だ。新潟・福島豪雨で被災した男性は、日ごろの備えと心構えが重要と教えてくれた。

◇【動画で見る】動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

豪雨被害 被災者の声

福島県金山町の長谷川義晴さんの自宅は、2011年の新潟・福島豪雨で只見川の氾濫により床上2メートルを超える浸水被害に遭った。
自宅に迫る水から逃げるため集会所や高台などに避難し、戻ってきたのは4日後。家具はほとんど浸水し、打ち付ける雨や激しい川の流れの音がいまも耳から離れないという。
長谷川さんは「かえって死にたくなったような感じ。どうしたらいいのか途方に暮れた」と当時の事を語る。

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平成23年7月新潟・福島豪雨

2011年7月に新潟から会津にかけて停滞した前線は、線状降水帯を作り出した。福島県金山町では一日の降水量が200ミリを超え、それまでの記録の2.6倍を超える観測史上最大の大雨になった。
100棟以上の住宅が被災し、JR只見線の鉄橋が流されるなど甚大な被害が発生した。

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ハード面での対策進む

この災害を踏まえ「元に戻す」だけではなく、川幅を広げ川の流れをスムーズにする工事も進められている。
福島県が2019年から行っている只見川の拡幅工事は、全体の4割ほどまで完了した。また、長谷川さんの自宅の前には、川の水から住宅を守るための堤防も設置された。
長谷川さんは「当時より4~5メートルくらいは高くなっている。地形的には、すり鉢のような形で、直角に只見川も曲がっている状態なので、いつ災害がおこる分からないが、築堤のおかげで安心していられる」と語る。

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迅速な避難は普段の心構えに

ハード面の整備が進むだけでなく、長谷川さん自身も被害をきっかけに、いざというときの準備を進めている。
7年前に妻を病気で亡くしてからは、一人暮らしをしている長谷川さん。83歳という年齢を考えても、自分の身に危険が迫ったときに迅速に行動できるかは事前の準備や心構えにかかっているという。
「当時を思い出したくないくらいのひどさもあったし、まさかあんなことになるとは思わなかった。恐怖は、2人でいた時より今はありますが、いつでも逃げられるよう心の準備はできています」と長谷川さんは話した。
災害を経験したからこそ、それを今後の防災へつなげることは大切だ。

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防災ツールの活用もポイントに

また、私たちの「防災のアンテナ」を高めるための、ツールの開発も行われている。2024年3月に福島県がリリースした「福島県防災アプリ」は、位置情報と連動し、マップ上のカメラをタッチすると河川の状況が確認できたり、自分が行きたい避難所までの道順をマップ上に表示したりすることもできる。
身のまわりの危険の把握はもちろん、仕事や旅行などで不慣れな場所を訪れている時でも、自分がいる場所の「リスクの確認」が可能になる。

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高齢者にアプリ活用は難しい?

ただし、83歳の長谷川さんは防災アプリの存在を知らなかったという。記者と一緒に、周辺の避難所や防災情報の検索を試してみると、自身の防災の準備を見直すきっかけにもなったという。
長谷川さんは「覚えれば良いと思いますし、ラジオも必要なくなってくんじゃないかなと思ってます。ぜひ覚えてみたいです」と話した。

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このアプリだけでなく、福島県は防災に関する新システム「福島県防災ポータル」を構築していて、避難指示の情報や台風の進路も確認できる。便利なツールもたくさんあるが「いざというとき何を使えばいいか」を決めておくことも大事になりそうだ。

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