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国内最大級の陸上エビ養殖場「HANERU葛尾」《もっと!ぐっと!葛尾村》

福島県葛尾村に、国内最大級の陸上エビ養殖施設「HANERU葛尾」がある。2023年、村制施行100周年を迎えた葛尾村の人口は1,220人。そのうち現在村に住んでいるのは461人と、人口の約3割にとどまる。しかし、震災後178人が新たに移住してきており、その中から生まれたのがこの施設だ。2022年に設立された「HANERU葛尾」は、地域の復興と活性化に大きな役割を果たしている。

◇【動画で見る】動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます

山間部で実現する革新的エビ養殖

「HANERU葛尾」は、海から遠く離れた山間部でエビ養殖を実現している。葛尾村の井戸水を利用し、そこに塩を加えて人工海水を作り出している。さらに、この水をろ過し、微生物の力を使って浄化する完全閉鎖循環型システムを採用。年間3〜5トンものエビを生産可能だ。当初は年間4,000匹程度だった生産量が、新施設の完成により大幅に増加。この方式は、地域の水資源を有効活用しつつ、環境への負荷を最小限に抑える持続可能な養殖モデルとして注目を集めている。

多様な人材が描く葛尾村の未来

松延社長は元々水道や下水道のエンジニアだった経験を活かし、エビ養殖を通じて水のエンジニアを育成する取り組みを行っている。日本全国で水道・下水道の技術者が不足する中、ここで育った人材が地域のインフラを支えることを目指す。全国各地や海外から集まった多様な従業員が、新たな視点で地域活性化に貢献。山口県や青森県出身者、さらにはコロンビア出身のスタッフまで、様々な背景を持つ人々が葛尾村への愛着を深めている。この多様性が、人口減少に直面する葛尾村に新たな活力をもたらしている。

環境と共生する未来型アミューズメント

「HANERU葛尾」では、薬品を一切使用せず、生でも食べられる安全・安心なエビを生産。透明度が高く、噛むほどに甘みが増す新鮮なエビは、ここならではの逸品だ。松延社長は「エビの養殖を通じて葛尾村にエビのアミューズメントパークを作りたい」と語る。環境に配慮した養殖システムを見学しながら、新鮮なエビを味わえる体験型の施設を目指し、観光と産業が融合した新たな地域モデルの構築に挑戦している。まだ復興途中の葛尾村に、人々が訪れ、楽しみ、学べる新たな魅力スポットを作り出そうとしている。

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