テレビ番組テレポートプラス

もっと!ぐっと!

公務員から花き農家に転身 「自分はめちゃくちゃ幸せ」鈴木和弘さん《もっと!ぐっと!中島村》

福島県中島村の花き農家・鈴木和宏さん。年間30万株の花を「我が子」のように育て、出荷を「嫁に送り出す」と表現する。公務員から農家に転職した鈴木さん、手間暇かけた栽培で花の品質にこだわり、人々の笑顔につながる農業に幸せを感じている。

花は子どものような存在

花き農業が盛んな福島県中島村。鈴木和宏さんも、この場所で30年近く花を育て続けてきた農家の一人だ。
マリーゴールドを中心に、年間・約30万株の花を育てている鈴木さん。「出荷は"嫁に送り出す"という表現をします。自分の責任で種まきして、植え付けが私にとっては小学校入学と思っている」と話すように、手塩にかけて育てた花の出荷にはいつも思いが溢れる。
花が芽吹くのは子どもの「誕生」。植え付けは「小学校」の入学。伸び盛りの時期が「中学校」で、花をつければ「成人」。そして「出荷」は、娘を送り出す親の心境だという。

vlcsnap-2025-04-24-16h07m49s935.jpg

マリーゴールドの花言葉は「変わらぬ愛」。変わらぬ花への愛で、我が子のように育てた花々が人を笑顔にすることに、誇りを持っている。鈴木さんは「すべては最後に届いたお客さんのところできれいだって言われるため、褒められるために生まれてきている。人だってそうですよね」と語る。

vlcsnap-2025-04-24-16h08m32s043.jpg

手間暇かけて育てた花

育てた苗の間隔を明けていくスペーシング作業。通常より間隔を広くあけることや、苗を地面に近い場所に置き換えることで、苗がしっかりと根を張る時間が生まれる。
手間暇がかかり大量生産には向かないやり方だが、「下手したら売上げが半分になるのは覚悟して。一大決心というか、そこまでやってダメならどうしようもないよなって開き直りもありました」と考え抜いた末の決断だったという。その結果、客からは「花が長持ちする」という声が聞かれるようになった。

vlcsnap-2025-04-24-16h09m33s529.jpg

公務員から花き農家へ

一大決心をしたのはこれが二度目。一度目は花き農家を始めた29年前だ。鈴木さんは「前職は公務員をやっていました。なんで?とか、もったいねいねって声はすごく多かった」と話す。
国家公務員として働いていた鈴木さん。しかし、家族が体調を崩した時に側に居られなかった後悔から農業の道に。「家族の近いところで仕事がしたかった。そうしたら家族のピンチにすぐ駆けつけられる。それで毎日仕事をすることで経済的にも家族を守りたかった」と話した。

vlcsnap-2025-04-24-16h10m54s259.jpg

進んだ道に後悔なし

農業の記録をまとめたノートは30冊を超えた。日々の反省の積み重ねはより良い花を求め続けてきた努力の証だ。この道を選んだことに後悔はないという。
「後悔したことは一回もないです。本当にあの時に始まってよかったなって。自分の努力が、きっとその笑顔に繋がる。こんなにニコニコしていられる環境にいられる自分は、めちゃくちゃ幸せだと思っています」

vlcsnap-2025-04-24-16h11m31s786.jpg

花き農家としてはやや遅咲きだった鈴木さん。その溢れる情熱で、まっすぐ育った美しい花を、これからも咲かせ続ける。

vlcsnap-2025-04-24-16h13m14s776.jpg

お便り募集!

テレポートプラスでは皆様からのお便りを募集しています!

過去の放送内容