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「メガはいらないと宣言したのに小さいのをその横に」住民も困惑 福島市の太陽光発電設備建設で新たな問題

東日本大震災・原発事故後、再生可能エネルギーへの転換が進むなかで、景観や災害への影響が懸念されているメガソーラー。大規模太陽光発電施設はいらないと宣言している福島市で「新たな問題」があきらかになり、福島県に対応を求めている。

<山肌がむき出し...建設進む>
福島県福島市の西部にある先達山では、東京ドーム13個分の広さで森林が伐採され県外の事業者によるメガソーラーの建設が進んでいる。
福島市内では、このような1メガワット以上出力を持つ「メガソーラー」が26カ所あるが、福島市は景観の悪化や災害への懸念から2023年8月に「ノーモアメガソーラー宣言」を表明した。

<新たな問題があきらかに>
そして5月31日...太陽光発電にまつわる「新たな問題」があきらかに。
「本市のメガソーラー26カ所というのは非常に多いと。小規模開発もたくさんできている。計画されているところもあるので、本市の特殊性は突出したもの」と話すのは、福島市農政部の吉田広明農林整備課長。
「住民への配慮」として、具体的な場所はあきらかにされていないが、ひとつのメガソーラーから数十メートル離れた場所に2カ所、小規模な太陽光発電設備の建設が始まろうとしている。

<判断基準の明確化を求める>
小規模な設備の場合、県がメガソーラーとの一体性があると判断すれば建設には知事の許可が必要。しかし今回は、建設時期の違いなどから「一体性なし」とされた。
福島市は「今後も似たような設備の建設が懸念される」として、福島県にあいまいな「一体性」の判断基準を明確にするよう要望。今後はチェックリストの作成などに向け、協議を進めることになった。
福島市農政部の吉田農林整備課長は「やはり県の基準を明確化していただいて、地元や住民に説明できる内容にしていただきたい」と話す。

<近くの住民も困惑>
太陽光発電をめぐる新たな問題。2025年5月に稼働が計画されているメガソーラー近くの住民は「メガソーラーは、もういらないっていう宣言をせっかく市長がしてくださったのに、今度は小さいのをその横に建てる。これではイタチごっこではないでしょうか」と話す。

福島市内の別のメガソーラー施設では、大雨などの時に斜面の崩落や道路への土砂の流出などが確認されていて、市では警戒を強めている。