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創立60周年・節目の年に双子のフラガールが花を添える 「一山一家」常磐炭鉱の歴史と誇りを胸に

炭鉱跡地に建設された日本初のテーマパーク・スパリゾートハワイアンズ。訪れた人を魅了するフラガールは、福島県いわき市のシンボルにもなっている。彼女たちが学ぶ「常磐音楽舞踊学院」は創立60周年の節目を迎えた。

<レジャー施設で生き残り>
「東北に日本のハワイを作る」その一言が、すべての始まりだった。元々、炭鉱の街として栄えていた福島県いわき市の常磐地区。しかし、時代の流れとともにエネルギーの中心は石炭から石油へ。常磐興産の前身の会社は、石炭の掘削時に出てくる温泉を利用したレジャー施設を建設することで生き残りを図った。

<日本のハワイをつくる>
1期生からハワイアンズのフラガールの成長を見守り育ててきた、フラガールの養成所「常磐音楽舞踊学院」最高顧問のカレイナニ早川さん、92歳。
「日本のハワイを作ると。最初は、このおじさま何をおっしゃるんでしょうと。それがスパリゾートハワイアンズを作った社長・中村豊さん。"早川、学院の子ども達を芸の基礎もお願いしたい。しかし人間としての基礎、礼儀作法、そして皆さんに愛される子どもたちを育ててくれ"と」と当時を語る。

<娘がへそ出して...批判も>
「日本のハワイ」を作るために欠かすことのできなかったフラガール。その育成のため、ハワイでフラダンスを学んだ早川さんに声がかかった。
炭鉱の若い女性たちを相手に、ゼロから指導した踊り。当初、早川さんのもとには「おいらの家族の娘っ子を、おへそ出して腰振らして、あんた何しに来たんだ!とんでもない話だ!」という否定的な声もあったという。
それでも「一生懸命にレッスンに励んでる18名をご覧になって、もう次回見えるときは全然違った雰囲気で。この子たちが、この炭鉱を守るんだ。炭鉱を支えていくんだと、そういうようにおっしゃるようになりましたよね」と早川さんはいう。

<受け継がれる一山一家>
常磐炭鉱を象徴する言葉「一山一家」・・・「共に働く人すべてが家族」という精神は今も受け継がれている。
カレイナニ早川さんは「湯本、いわき市の先端を行く、礼儀正しい女性であってほしいと思っております」と話す。
2024年春に「常磐音楽舞踊学院」に新たに加わった5人。最高顧問のカレイナニ早川さんからは「まず自分を愛してください。自分自身を大切にすること。これが一番です」との言葉がかけられた。

<16年ぶり双子のフラガール>
子どもの時から抱いていた憧れを実現した、埼玉県出身の峰岸桃花さんと美弥さんは、16年ぶりの双子のフラガールだ。
美弥さんは「5年生の時から7年間ずっと2人で頑張って追いかけ続けてきた夢だった」と話す。桃花さんは「双子ならではのシンクロだったり、60期生という節目の年に16年ぶりの双子として選んでいただいたので、60期生としてもふさわしい、そんな双子のフラガールになりたいと思います」と話した。

2024年夏に予定されている2人のステージデビュー。
先輩たちが築いた歴史と伝統を受け継ぎ、スパリゾートハワイアンズのフラガールとして最高の笑顔を観客に届ける。