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「あんぽ柿」加工の全面解禁は2024年度も見送り...基準を満たした生産者の出荷は継続<福島県>

「あんぽ柿」など柿の加工品の生産が盛んな福島県北の4自治体では、柿の試験加工品の検査が行われたが、一部が放射性物質の基準を超えたことから、2024年度も「柿の加工の全面的な解禁」が見送られることとなった。

「あんぽ柿」や「干し柿」は、乾燥することで水分が失われ、放射性物質の濃度が濃くなる恐れがあるため、福島県は毎年、柿の加工が盛んな福島市と伊達市、桑折町、国見町の4つの自治体で、試験的に加工した柿で放射性物質の検査を行っている。

2024年度も、4つの自治体の柿を「生柿」「あんぽ柿」「干し柿」の3段階でそれぞれ検査したところ、加工品の一部で国の食品基準である1キロ当たり100ベクレルを超え、最大で410ベクレルが検出された。

基準を超えた検体は伊達市のものだったが、4つの自治体をまたいで「生柿」の流通や製品の出荷が行われているため、県はこれまでに引き続き、柿の加工の全面解禁を見送った。

一方、4つの自治体では、柿の果実が小さい夏のうちから複数回の検査を行うなどして基準を満たした生産者のみが出荷できる限定的な措置がとられている。
そのため、比較的大規模な生産体制をとっている生産者には影響がなく、流通している「あんぽ柿」「干し柿」にも影響はない。