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<福島第一原発>2号機使用済み燃料プール関連設備の漏えい疑いで現場調査開始 プール冷却は停止中

福島第一原子力発電所2号機の使用済み燃料プールで、プールとつながっているタンクの水位が8月上旬に急に減りはじめた事象を受け、東京電力は10月1日から現場調査を開始する。
水位低下の原因は、水が流れる経路がある原子炉建屋のどこかで漏えいが起きているためと想定されている。

東京電力はこの事象が発覚したときに、使用済み燃料プールの冷却を手動停止していて、漏えいが疑われる現場(原子炉建屋)の線量が高いことから、調査方法の検討を行っていた。

停止したときのプールの温度は34.5℃で、現在は45.8℃と評価している。
温度が65℃になると、周囲のコンクリートの健全性に問題が生じる可能性があるが、今後は外気温が低下することが予想されるため、最大でも46℃ほどまでの上昇と見ているという。

一方、外気温の低下によりプール水面から発生した湯気が設備に悪影響を与えることがないよう早期の復旧を試みたいとしていて、10月1日から水位が低下しているタンクに水を張り、定点カメラやドローンで漏えいしている場所を探す調査を開始する。
調査の結果を踏まえ、修復の可否や、代わりの冷却手段を構築したいとしている。

2号機の使用済み燃料プールには使用済み燃料587体と、未使用の燃料28体の、合わせて615体の燃料が保管されている。

外部への水の漏えいや、周辺のモニタリングポストの有意な変動はなく、東京電力は「周辺環境への影響は無い」としている。
また、2号機での燃料デブリの試験的取り出し作業の進捗に影響を与えることもないという。