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<福島第一原発>処理水放出に伴う賠償は420億円支払い済 中国の禁輸措置などの影響続く

福島第一原子力発電所で2023年8月に始まった処理水の海洋放出をめぐり、東京電力は2024年9月25日時点で約260件・約420億円の賠償支払いを完了したと公表した。

中国の禁輸措置などによるホタテやナマコの取引中止の損害が多くを占め、1か月で約90億円増加した。

中国が日本産海産物の輸入を段階的に回復させる方針を示していることについて、東京電力は「県や国の尽力の賜物であり、東京電力は引き続き、国内外への透明性の高い情報発信に努めるとともに、海産物の安全性やおいしさを伝える活動をしていく」としている。

第一原発では2024年9月26日から、通算9回目となる処理水の放出が行われていて、10月2日時点の累計でタンク約65基分あまり、約6万5千トンが海水で薄められて海に放出されている。

東京電力は2025年1月ごろからタンクの解体にも着手したい考えで、燃料デブリの取り出しに係る設備など廃炉に必要なスペースを確保する方針。

一方、2号機での燃料デブリの試験的取り出しについては、ロボット先端のカメラが復旧せず、作業の中断が続いている。