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酒処・会津の酒蔵「認知度上がれば」販路拡大に期待 ユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」登録【福島発】

ユネスコ=国連教育科学文化機関の政府間委員会は、日本の"伝統的酒造り"を無形文化遺産に登録することを決めた。福島県内の酒蔵からは、輸出拡大の追い風になると期待されている。

創業150年以上の歴史がある福島県会津若松市の高橋庄作酒造店では、蔵人などが日本酒の仕込みに追われていた。
大きな木桶に足場が組まれ、次々と取り出されたのは蒸された酒米。雑菌が生まれないように熱いうちに急いで麹室へ。酒造りに欠かせない麹菌を降りかけ、全体に行き渡らせる。

ここまですべて手作業で行われ、その後も数多くの工程を経て完成される日本酒。「伝統的酒造り」としてユネスコの無形文化遺産に登録されたのは、このような受け継がれてきた技術だ。

高橋庄作酒造店の高橋亘社長は「日本独自の文化ですし、国酒にふさわしい非常に高度な技術だと思う。そういったものが世界に評価されるのは、酒造りに係る僕ら自身にとっても嬉しいこと」と話す。

この酒蔵では、現在全体の2割をアジアなど海外に輸出していて、高橋社長は「海外で日本酒がサケという名前で出てくるようになった。国酒としてきちんと世界で日本の酒が認知されるとよい」と話し、今回の登録がさらなる拡大につながることを期待している。

日本の無形文化遺産登録は、2022年の「風流踊り」以来で23件目となる。