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ユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」登録をお祝い 名酒が揃う物産館では振る舞い酒【福島発】

「日本酒王国」福島でもユネスコ無形文化遺産登録を祝うセレモニーが行われた。
1000種類もの県内の日本酒が集まる福島県観光物産館。12月5日午後4時半から「伝統的な酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを祝ってセレモニーが開催され、喜びの声があがっている。

<振る舞い酒でお祝い>
セレモニーには、福島県酒造組合の関係者などが集まり、記念のパネルがお披露目された。その後、訪れた買い物客に浜通り・中通り・会津地方それぞれの地酒がふるまわれ、日本酒王国・福島が誇る自慢の味を楽しんでいた。
買い物客は「とても甘くて飲みやすくて、男女でもどちらでも楽しめる日本酒だなっていう風に思いました」「福島でも色んな方が職人さんがいいお酒を作っているので、これから世界に広がっていけばいいなと思います」と話した。
福島県酒造組合の渡部謙一会長は「我々福島県の酒蔵もますます技術に磨きをかけて、よりよい品質のものを造るように切磋琢磨していきたいと思っております」と話していた。

<福島の酒を知ってもらう機会に>
福島県の日本酒を良く知る福島県観光物産館・館長の櫻田武さんは登録について「喜びとホッとした気持ち」と語る。これから福島の日本酒がさらに注目されるということについては「県内外の方たちはもちろん、世界中の方たちに福島の酒の良さを知っていただきたい」と話した。
物産館では酒造りを紹介するパネルの展示のほか、今だけしか飲めない限定の新酒の飲み比べも楽しむことができる。

<清酒の生産量は減少>
文化庁によると、伝統的酒造りは500年以上前に原型が確立し、日本各地の気候風土に応じて発展してきたということだが、心配なデータもある。
仙台国税局によると、福島県内での清酒の生産量は1975年ごろをピークに減少が続いていて、2022年には7分の1ほどに落ち込んでいる。

<輸出金額は拡大>
国内での市場規模が縮小する一方で、年々存在感を増しているのが「海外への輸出」だ。福島県によると、2022年度の県産アルコール類の輸出金額は、7億7500万円で過去最高に。このうち約半分を清酒が占め、輸出先で最も多いのがアメリカで、香港や台湾などアジア圏も好調だ。

今回無形文化遺産に登録されたことにより、さらなる輸出拡大につながり「伝統的な酒造り」の継承・発展の追い風になることが期待されている。