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「同じ方法での2回目も念頭に計画中」福島第一原発・燃料デブリ採取めぐり市町村などに説明

福島第一原子力発電所2号機での燃料デブリの試験的取り出しをめぐり、東京電力は12月20日、市町村の担当者などに対し「同じ方法での2回目の採取も念頭に計画中」と説明した。

福島第一原発2号機では11月7日、事故後初めてとなる燃料デブリの試験的取り出しが完了し、現在、茨城県の研究施設でX線などを使った分析が行われている。
試験的取り出しには、比較的狭い空間を通過できる「釣り竿型」のロボットが使用されたが、東京電力は早ければ2024年度中に、それよりも大型の「ロボットアーム」での採取に着手したい考えを示している。

一方、原子力規制委員会などからは「釣り竿型」での採取継続を提案されていて、東京電力は「ロボットアームの前に釣り竿での採取を継続する可能性もある」としていた。
さらに12月20日、原発近隣の市町村や有識者で構成される「福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会」にて、市町村の担当者などに対し「釣り竿型での2回目の採取も念頭に置いて計画を立てているところ」と説明した。
有識者からは「ロボットアームの計画が見えない中で、釣り竿型で少しでも状況がつかめるのであれば効果的に進めてほしい」などと声が上がった。

ロボットアームについて東京電力は、経年劣化で一部のケーブルが断線しそれを交換したことを明らかにしていて、点検や修復の時間が今後の計画に与える影響は見通せていない。

【これまでの経緯】
■2021年:当初の試験的取り出し着手予定
⇒ロボットの開発遅れ、経路への堆積物の詰まり発覚などで延期
■2024年8月22日:試験的取り出し着手を計画するも「現場での棒の順番ミス」が発覚し取りやめ
⇒東京電力が現場に立ち会っていなかったことなどが問題に。
管理体制の見直しを行う。
■2024年9月10日:試験的取り出し作業に着手
■2024年9月14日:ロボットが一度デブリをつかむ
■2024年9月17日:カメラ4台のうち2台の映像が見られなくなるトラブルで中断
⇒高い放射線が影響でカメラ内部に電気がたまり不具合を起こしたと推定。
カメラ交換を決断。
■2024年10月24日:カメラの交換作業を完了
■2024年10月28日:試験的取り出し再開
■2024年10月30日:デブリの把持・吊り上げに成功
■2024年11月2日:デブリを事故後初めて格納容器外へ取り出し成功
■2024年11月5日:放射線量が「取り出し」基準クリアを確認
■2024年11月7日:試験的取り出し作業完了
■2024年11月8日:デブリの水素濃度などが輸送の基準を満たすこと確認
■2024年11月12日:事故後初めてデブリを第一原発構外へ 研究施設へ輸送