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防災大百科

台風19号
『家族や私が決めておく避難の「基準」 避難の「時間」 避難の「場所」』 

福島県内に甚大な被害をもたらした台風19号について
東京大学客員教授で防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」の松尾一郎さんと考える。

【河川氾濫は堤防から水があふれる「越水」と堤防が壊れる「決壊」の2つ】
福島県の中通りでは30ヵ所で堤防が決壊し、その全てが支流を含めた阿武隈川で起きた。

<決壊と越水で被害はどう変わる? 松尾一郎さんの解説>
いずれも河川の氾濫。氾濫の形態として...
川の水が堤防を越え住宅地にあふれるのが越水。
決壊は、越水から始まって堤防が壊れ始め住宅地へ一挙に流れてくる。
状況によっては津波よりエネルギーがあり、大きな河川で決壊があると住宅が流されるという事例は多い。

堤防近くにお住いの方は水位が上がる前に避難することが重要。
最近のハザードマップでは家屋倒壊氾濫想定というのが表示されているので確認を。

【台風19号によって地区全体が浸水した福島県郡山市水門町】
逃げ遅れた高齢者が亡くなるなど大きな被害がでた。
大規模な浸水はなぜ引き起こされたのか。
近くを流れる阿武隈川の越水範囲は対岸にとどまり、水門町に水は流れ込まなかったとみられているが...

阿武隈川の支流「谷田川」では、水門町からおよそ1.5キロ離れた場所で高さ4メートル、幅30メートルにわたり堤防が決壊。
ここから溢れ出た水により、最大で3メートルの浸水につながったとみられている。

過去の度重なる水害を受け、「谷田川」でも改修工事が行われていたが、被害を防ぐことはできなかった。
農業・柳沼利雄さん:「谷田川は改修したし、あとは大丈夫かなと考えていたんですけど、世の中によく言う話で、"絶対大丈夫はない" と改めて感じたということですね」

【福島県を流れる阿武隈川の流域面積は千葉県を上回る5400平方キロに上り、多くの支流を抱える】
<その支流の「谷田川」の決壊はどのように考えればいい?松尾一郎さんに聞く>
雨の降り方が同じだとすると小さい川には水が集約され溢れていく。
それが集まっていき大きな川(本流)が危険な水位になる。
大きな川に流れ込む支流は、バックウォーターで氾濫したり、内水氾濫の常襲地帯であることがある。
住いの近くにある支流が、氾濫する限界降雨量を知っておけば、命を守ることに繋がる。この限界降雨量は、県の土木事務所に聞けば教えてもらえる。

【国が整備した支流などの水位をリアルタイムで見られるサイト】
<台風19号の際に一時的に使えなくなり、今後の運用に課題...松尾一郎さんに聞く>
知り合いの市町村長に聞いても災害対応するにあたり、
今回このサイトが見られなかったことが一番の痛手だったと話していた。
これは「命を守る情報」
私たちの税金で整備したもので、あまねく国民へ知らせる努力が必要。

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