テレビ番組テレポートプラス
物を大切にするきっかけに おもちゃドクターの奮闘
福テレアナウンサーが「これだ!」と思った話題を伝える「アナこれ!」
今回は松山さんが、物を大切にする心も育むおもちゃドクターを紹介。
◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。
いつの時代も変わらず子どもたちのそばにある「おもちゃ」
おもちゃを使っての"遊び"から、心の発達と様々な能力を身につけていく。ただ、沢山の時間を一緒に過ごす分、いつか壊れてしまうもの...皆さんは壊れてしまった「おもちゃ」どうしている?
遊び場に手術室
外遊びを楽しむ元気な声が響いた福島県相馬市の尾浜こども公園。その一角にある交流館がこの日は「手術室」になっていた。
中で行われていたのは、おもちゃの修理。おもちゃの病院が開院していた。
「おもちゃ病院相馬」の北澤鉄也院長は、相馬市でエンジニアとして働く傍ら、5年前に「おもちゃドクター」になった。
院長の周りにいた皆さんも「おもちゃドクター」で、全員がボランティアで仕事を退職したシニア世代だという。全国には、この「おもちゃドクター」が約1700人もいるそうだ。
「工作少年だった」という北澤院長。何十年も前のおもちゃが修理に出されると「昔これいじったことがある」と昔を思い出し嬉しくなる時があるという。
診察日は第1日曜日と第3土曜日の月2回。
部品は実費負担だが、治療費は無料。これまで180以上のおもちゃを直してきた。
設計図なく...難しい治療も
この日、病院を訪れたのは福島県南相馬市の大谷知美さん。治療を依頼したのは、3年前に長男の一颯くんにプレゼントした「クレーン型のおもちゃ」 すごく気に入っていたものなので、直して喜ばせたいという。
診察の結果、アームを吊るすチェーンが切れているのが分かり、入院はせずに治療に入ることになった。
ちゃんと直るのか心配になったのか、一颯くんと次男の琉星くんも手術室に。
おもちゃドクターにとって、患者のほとんどが初めて目にするものばかり。設計図もなく、他のドクターから助言を受けながら治療を行う。
「私も小さいころ物を大切にするっていうか捨てられないたちなので、何度も直して使っていたんですけど」と熱い思いで治療に望む北澤院長。
開始から約30分...無事に治療が完了した。治療を終えたおもちゃに、すぐに駆け寄った琉星くん。さっそく遊ぶ姿は、北澤さんにとってたまらない瞬間だった。
治療を依頼した大谷さんは「すごく嬉しい。当日に直ると思っていなかった。これから毎日、また壊れるまで使ってもらいたいと思います」と話した。
北澤院長は「喜んでもらえるのが一番なんですけども、個人的には直るかどうかわからないものを工夫して直した時が一番楽しい。おもちゃドクターを、知らない方もいるので広く知っていただいて物を大事にしてもらえれば」と語る。
車や列車のおもちゃなどは部品があれば直せるが、テレビゲームなどは受け付けていないという。おもちゃ病院への予約は不要で、直接来院を。