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防災大百科

愛する人を守る、身近な「防災」、家庭の「防災」

2023年の9月1日「防災の日」は関東大震災の発生から100年の節目となった。9月は「防災月間」でもある。こうしたなか地域が自ら動き出し「防災を身近に感じてもらおう」という取り組みが始まっている。

◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

運動会ならぬ運防会

福島県いわき市内郷内町の自主防災会が企画した「運防会」 9月2日に地区の子どもや保護者など約80人が参加し、内町小学校で開催された。運動会の種目に防災を盛り込むことで「防災を楽しみながら学ぶ」独自の取り組みで、自主防災会の馬目太一会長が考えた。

目の当たりにした被害に危機感

2019年10月に福島県内を襲った「令和元年東日本台風」で、いわき市では関連死を含め14人が犠牲となり建物の浸水被害は約5000棟に上った。
地区の被害を目の当たりにし、危機感を強めた馬目会長。地域の住民が「防災を身近にしていくこと」が必要だと考えるようになった。「自主防災訓練で良いかと思っていたが、それでも人の集まりが少ない。思い切って、小学校とか他の協力を得ながら、運防会をやろうかと思い立った」と話す。

運防会ではクイズも

「道路が水浸しになってしまいました。こういう時はどのように避難すればいいでしょうか?」これは洪水発生時に、緊急的に避難しなければいけない場合の「防災クイズ」
1.道路の真ん中を歩いて避難
2.車で避難する
3.道路の端を歩いて避難
多くの子どもたちが「3」を選らんだが、正解は「1」道の端には側溝などがあり落ちてケガをする危険がある。馬目会長は「できれば避難をするときに、ロープを持って繋いで歩くのが良い」と語る。

子どもたちが防災を身近に感じる

みんなで楽しく知識を身につける防災クイズだけでなく、災害の発生時に活用する防災グッズを覚えるための「防災借り物競争」も行われた。
猛暑による熱中症を警戒し、予定よりも短い時間での開催だったが、子どもたちにとっては「防災」を身近に感じる一日となったようだ。
参加した児童は「災害の時は(耐震性に優れる)ガソリンスタンドに逃げるってというのを初めて知った」「意外と知ってると思ってたけど、知らないことたくさんあって、勉強になった」と話した

学びだけでなく共助の意識も

地域が自主的に始めた「運防会」は、大人だけでなく子どもたちの心にも地域で助け合う「共助」の意識を浸透させている。内町自主防災会の馬目会長は「この会で、皆さんの連携が取れてそれで避難の時に声掛けをして、まとまって安全なとこに避難してもらう。そういうことをして貰えれば、一番いいこと」と話した。

家庭での防災対策 しているは半数以下

全国の15歳から79歳の男女5000人を対象にした調査で「家庭での防災対策していますか?」という問い対して「対策をしている」が47%で半数以下に。一方で「対策していない」は41%となった。

一人暮らし世帯で圧倒的に多い

世帯人数別にみると「一人暮らし」「単身世帯」で防災対策をしていない割合が68%と圧倒的に多くなった。
一人暮らしの場合、若年層だけでなく70代でも半数以上が「対策せず」と回答している。東京大学大学院の客員教授で防災行動や危機管理の専門家・松尾一郎さんは「一人暮らしだと自分一人なので何とかなると思っている方が多いと思う。仮に一人を救助するには人手もかかるし救護被災にあうかもしれない。日ごろからやっておかないと、いざという時にはできないものなので、一人だからいいという話にはならないと思う」という。

災害時は「自助・共助・公助」が大切になる。自分の身を守る備えは怠ってはいけない。

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