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アナこれ!

不安も多い育児 産後ママの心と健康をサポート「産後ケア」

福テレアナウンサーが「これだ!」と思った話題を伝える「アナこれ!」
出産後のお母さんと子どもをサポートする取り組み「産後ケア事業」は、市町村が主体となって行う事業。2021年4月から自治体の努力義務となっていて、2023年度末までの全国展開が目指されている。こども家庭庁によると2022年度の全国の実施自治体は1462で、全体の約85%に上った。これは、2014年度の約50倍だという。この産後ケア事業、どんな場所でどんなケアが受けられるのか?出産間近の菅家さんが取材した。

◇【動画で見る】産後ママの心と健康をサポート「産後ケア」 導入する自治体も増加

クリニックに併設した施設

福島県福島市瀬上町にある「ふくしま木もれ日クリニック」は、2022年12月にオープンした診療所で、内科や小児科の診察を行っている。このクリニックの2階には、産後ケアに特化した「ゆりかご助産院」が併設されている。

新米ママがホッとできる場所に

この日訪れたのは、福島市在住の佐々木佳奈さんと、生後4カ月の悠くん。楽しみながらも、初めての子育てに奮闘している。
佐々木さんは「実家に戻らず、産んだ後は家にずっといた。家にばかりいると分からないことをネットで調べて不安になることが結構あった。助産師さんの所に来て、いろいろ分からないことを何でも質問できるので、ありがたい。最近よく笑うようになったので、この前来た時との変化を見てもらって、成長具合を確認しつつ、私の方もちょっと休ませてもらおうかなと思っている」と話す。

産後ケアにも様々な種類

産後ケアには、病院や助産所でサポートを受ける「宿泊型」と「日帰り型」そして、自宅で受ける「訪問型」の3種類があり、原則7回まで少ない自己負担で利用できる。
ゆりかご助産院は日帰りに特化した施設で、産後1年未満のお母さんと赤ちゃんが対象で、例えば、福島市に住民票がある人は1500円で利用できる。
午前10時から午後4時まで、助産師の川井さん付き添いのもと、日頃の育児の相談や赤ちゃんのお世話、お母さんの休息をサポートする。
ゆりかご助産院・助産師の川井沙織さんは「話すことで悩みが少なくなって、少しでも明日から楽になって、楽しく育児してもらえたらいいと思う。体を休める目的でいらっしゃる方は、お家だとなかなか赤ちゃんもいるし安心して休むことができるのって難しいと思うので、そういう方には赤ちゃんを安全に安心に見守っている中で、ゆったりとした時間を過ごしてもらえたら」と話す。

ママの精神的・身体的負担を改善

なぜ、産後のサポートが必要なのか。福島市こども家庭課の保健師・加藤仁美さんは「産後に育児を助けてくれる人がいなかったり、女性の働き方も変化し育児と仕事のためにゆとりを持てなかったり、孤立感や不安感を持つ妊産婦さんが少なくありません。精神的・身体的負担を改善するために、産後ケア事業が必要となる」と話す。
ゆりかご助産院では、助産師が赤ちゃんといる間、お風呂でゆっくりしたり、施設が準備してくれたお弁当を食べたりと、思い思いの時間を過ごすことができる。
利用した佐々木佳奈さんは「来た時の特権。家族以外の人と話すだけでも良いですし、お昼もゆっくり食べられて、見ててもらえて良い」と話す。

気軽な利用を呼びかけ

ゆりかご助産院の助産師・川井沙織さんは「産後ケアは、なんとなく聞いたことはあるけれど、もっと困っていないと使えないんじゃないかとか、そういう言葉をいただいたりすることがある。どんな目的でも気軽に使うことができるし、子育てをしているお母さんたちを応援したいって思っている人って実はたくさんいらっしゃる。そういう人と繋がれるのが、この助産院でもあるので、気軽に遊びに来る感覚で来てほしい」と話す。
ゆりかご助産院では、独自の取り組みで月に1回、育児に関する様々な教室も開いている。詳細や参加を希望する場合はゆりかご助産院へお問い合わせを。

利用には課題も

福島県によると、県内では59市町村全てで産後ケア事業を導入しているが、自治体によって補助を受けられる対象の利用施設などが異なる。
例えば福島市は、福島県助産師会と市内の医療機関と提携していて、これらの施設を利用した福島市在住の対象のお母さんと赤ちゃんは補助が受けられる。
福島県助産師会に所属する施設の中には、ゆりかご助産院をはじめ、福島市以外の施設もあり、福島市民だけど里帰りでほかの自治体の施設を利用したいという場合も補助の対象になる。
このように、自分の住んでいる自治体がどこの助産師会、あるいは病院と提携しているか確認が必要。

年々、産後ケア事業の導入は進んでいる一方で、利用の壁をどこまで低くできるかその仕組みづくりも求められていると感じる。

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