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<福島第一原発>デブリ試験的取り出し トラブルにより中断(東電による説明)

東京電力は、福島第一原子力発電所2号機での燃料デブリの試験的取り出しに、8月22日に着手する予定だったが、操作手順を間違えて22日は着手に至らなかった。

午前7時24分に作業を開始し、燃料デブリ取り出しロボットを押し込むための準備をしていたところ、押し込むための棒の順番が間違っていることに現場の作業員が気付いたという。
押し込むための棒は5本あるが、本来予定していた棒ではないものが準備されていた。
22日の着手を断念し、午前8時53分に作業を終了したという。

東京電力は8月22日午前10時に福島県庁で報道陣に状況を説明した。

Q 着手は断念ということか?
A 本日は隔離弁(格納容器手前の扉・着手判断基準)の通過までいかなかった。本日の作業はそこまでと判断している。

Q 押し込む棒の順番が違うことで何がいけなかったのか?
A 押し込むための棒は全部で5本あり、1本目の接続準備をしていたところ気づいたということで、それ以外の詳細は現在確認しているところ。

Q 何か形状が違うとか違和感があったということか?
A おそらく形状が異なるものと思うが、詳細は確認中。

Q 形状が違うのであれば初歩的なミスではないのか?
A 詳細については現在確認している。

Q 押し込み棒の長さは?
A 1本あたり約1.5メートル。

Q その場で交換はできなかったのか?
A 現場に他の棒が置いてあったのかどうかも含めて詳細確認中。

Q 間違えたことにどこで気づいたのか?
A 細かい情報が入ってきておらず詳細確認中。

Q 現在、現場はどういう状況か?
A 押し込み棒を入れる前に本日の作業を終えたと聞いているので、現場はその状態になっている。

Q 明日以降の予定は?
A 詳細を確認したうえでお知らせする。再開日は未定。

Q 放射性物質の周囲への拡散は?
A 周辺への影響を確認する指標に有意な変動はない。

Q 作業員のミスなのか?
A 詳細確認中。



2011年に事故を起こした第一原発の1号機から3号機までには、核燃料が溶け落ちて金属などとまじりあった「燃料デブリ」が合わせて約880トンあると推定されている。
「試験的取り出し」は、事故後初めてこの燃料デブリを取出し、敷地外に持ち出したうえで研究機関でその性状などを分析するというもの。

燃料デブリは極めて高い放射線量で人が直接近づけないため、その扱いは廃炉作業の最難関と言われ、これまで試験的取り出しは3回延期されていた。