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大雨が増えた!? 80ミリ/時間以上1.7倍に 温暖化との関係を気象予報士がズバリ解説【福島発】

福島県で近年、大雨の頻度が増加しているという実感を多くの県民が持っている。この印象は、実際のデータからも裏付けられており、気象の専門家たちがその原因について分析を行っている。福島テレビの斎藤恭紀予報士が、この現象について詳しく解説した。

<80ミリ以上が40年前の1.7倍>
斎藤予報士によると、1時間80ミリ以上の豪雨の年間発生回数は、40年前と比較して1.7倍に増加している。このトレンドは、長期的な観測データからも明らかだ。
例えば、いわき市小名浜の1時間雨量の記録を見ると、1937年からの観測開始以来、上位10回のうち7回が過去30年以内に記録されている。これは、近年の雨の降り方が変化していることを示す顕著な例だ。

<温暖化が大雨増加の主因>
この大雨増加の主な原因として、斎藤予報士は地球温暖化を挙げている。今年7月の日本の平均気温は、1898年の観測開始以来、最高を記録した。さらに、海水温も記録的な高さになっている。
温暖化による気温上昇は、空気中に含むことのできる水蒸気量を増加させる。海面水温の上昇により、大量の水蒸気が供給されることで、線状降水帯やゲリラ雷雨の発生が増加しているという。

<福島県民の実感も一致>
福島テレビが実施した視聴者アンケートでも、この傾向が裏付けられている。「30年前位にくらべ、近年の雨の降り方は変わったと思いますか?」という質問に対し、93%の回答者が「昔より雨が強まった」と答えた。この結果は、県民の多くが日常生活の中で雨の降り方の変化を実感していることを示している。

斎藤予報士は「私たちはこれから大雨のリスクと生活しなければいけない」と述べ、気候変動に伴う気象リスクへの備えの重要性を強調した。