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【台風情報】台風10号ノロノロ北上 離れた場所で雨雲 26年前の8・27豪雨災害の教訓生かす福祉施設

非常に強い勢力に発達した「台風10号」。
最新の進路図では、31日から9月1日にかけて、ほぼ停滞しているようにさらに動きが遅くなっている。
一方、台風から離れているからといって、まだ雨が降らないわけではない。
26日からの雨雲の様子だが、台風が九州の南にありながら、東海地方やさらに離れた場所で発達した雨雲がかかっているのがわかる。

似たような状況は、26年前にも発生していた。台風が南の海上にありながら福島県内にもたらしたのが、7日間で1267ミリという、西郷村の豪雨災害だ。

<土砂災害を想定した訓練>
福島県西郷村の社会福祉施設「太陽の国」で行われた集中豪雨による土砂災害の発生を想定した避難訓練。毎年8月27日に訓練を重ねているのは、26年前の"教訓"があるからだ。
西郷村では1998年8月、離れた場所にあった台風から湿った空気が流れ込み、記録的な大雨に。太陽の国では近くの山で土砂崩れが起き、利用者5人が逃げ遅れ犠牲になった。

この日を忘れないために、太陽の国は8月27日を「防災の日」として、独自のマニュアルも作成。27日の訓練では、そのマニュアルなどに基づき、利用者を高い場所に移動させる方法などを確認していた。
利用者は「(有事の際)きびきびとした動きで逃げたいです」と話す。

26年前と同じように離れた場所にありながら、大雨をもたらすおそれのある今回の台風については...。
太陽の国福島県ひばり寮・安田直樹援助係長は「そういった気象情報を耳にすると、ちょっと緊張するんですけど、そんな時こそ毎年やっている訓練を思い出して、しっかりできるように心掛けていきます」と話した。