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2歳の留学生が村暮らしを満喫 福島県初の「保育園留学」 地方に滞在し魅力を体感 地域の活性化にも

留学というと...学生が海外で勉強するというイメージが思い浮かぶかもしれないが、福島県で初めて始まった「保育園留学」を取材した。留学する側も受け入れる村も、価値ある時間が過ごせているようだ。

<家族で滞在 地元の保育園へ>
福島県内で初めて保育園留学の受け入れがスタートしたのが、自然に囲まれた鮫川村。そこにやって来たのは、東京都に住む、森たけるくん、2歳。
しかし、どうしてもお母さんと離れたくない様子...と、ここまでは一般的な保育園と同じだが、何が違うのか?
保育園留学は、家族で1~2週間地方に滞在し、子どもがその間地元の施設に通うというもの。たける君の母・志歩さんは「新しい地域の暮らしを知りながら、滞在できる。かつ、これだけ大きな一棟貸しのところにいられる」と話し、父の喬(たかし)さんは「いろんな人と子どもが触れ合いながら、片方で仕事できるっていうのはありがたいなと思いました」と話す。
また、母の志歩さんが「最初に見た、さめがわこどもセンターの写真が、砂利道を子どもたちが散歩する姿だった。平日にプール遊びもできるし、外遊びもできる環境を夏の間に過ごさせたいなと思って」と話すように、都会ではできない自然とのふれあいなどが期待できる。

<遊び・食 田舎暮らしを満喫>
滞在するのは一棟貸しやゲストハウスで、子どもを預けている間、親はリモートワークをしたり、周辺を観光したりできる。
都会に住むたける君にとっても、めったにない田舎暮らし。留学中は、地元のコメや野菜をふんだんに使った給食を食べられるのも魅力の一つだ。
母の志歩さんは、たける君の変化について「これまでは、人と関わりたくて近くまで行くが、話しかけられなかった。いまは、ほかの住民の方にこんにちはと言っていたりする。自分から関われるようになってきた」と話す。

<保育園留学が村の活性化に>
鮫川村の鈴木大介副村長は「人口減少が進む中でも、村の魅力をしっかりと発信して、たくさんの人に来ていただく。そのことによって村が活性化する。来た人もいる人も幸せになる。そういうところに、力を入れていきたい」と話す。
出生数は、年間10人ほどと少子化が深刻な鮫川村。村にとっても、訪れる家族にとっても価値ある「留学」が始まっている。

東京から来た森さん家族の費用は、宿泊費なども含めて約19万円。ゲストハウスのオーナーと農業体験やピザ作り、星空観察なども体験しているという。
保育園留学は、いま全国40以上の施設で受け入れていて、北海道から九州まで山・海・農業・料理など様々な経験ができる。その土地と触れ合う、旅行とは違ったものが味わえそうだ。