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中国が日本産水産物の禁輸措置緩和へ 福島県の漁師からは歓迎の声 処理水放出と廃炉には緊張感を持って

2023年8月に始まった処理水の海洋放出から1年余り。日本産水産物の禁輸措置を続ける中国が緩和に向けて動き出した。

岸田首相:「我が国の立場が規制の即時撤廃であることには変わりなく、今回の発表を規制の撤廃につなげていく。そのように考えています」

9月20日午後、取材に応じた岸田首相。この前には、IAEAのグロッシ事務局長と電話会談し、処理水の安全性に関する追加のモニタリングを実施することで合意した。
これを受けて中国側は、基準に合致した日本産水産物の輸入を段階的に回復させていくことに同意したということだ。

<福島県の漁業者は>
2023年8月に始まった処理水の海洋放出から1年余り。
福島県いわき市の小名浜港を拠点に底引き網漁を行う志賀金三郎さんは...「ホタテから何から、全国的に漁業者が泣いてたからね。それが少しでも緩やかになって、規制が解除になるならと、それはやっぱり望んでたよね」と歓迎する。

その上で、国と東京電力は、禁輸措置の緩和をゴールとするのではなく、引き続き責任と緊張感を持って廃炉に取り組んでほしいと考えている。
志賀さんは「国とか東電もしっかりしてもらわないと、(輸入規制が)解除になっても、本当に処理水が、検体が出た場合とか考えると、漁業者は怖じ怖じしてられないよな。そればっかりが心配なんですよ」と話した。

処理水の海洋放出は、これまでに8回行われているが、基準を超える値は一度も確認されていない。