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【争点:子育てと物価高】相次ぐ食品値上げ 子育て世代が政治に求めるのは?《衆院選2024・福島》

シリーズでお伝えしている衆議院選挙の特集。選挙戦が始まって初めての週末を迎えるが、買い物に関係するこの数字...2911品目。これは10月に値上げされた食品の数だ。(信用調査会社・帝国データバンク調べ)
原材料費や物流費の上昇が背景にあり、2800品目余りだった4月を超え、2024年で最も値上げが多い月となった。
選挙の争点にもなっている物価高への対策、子育て世代が託す"一票"とは?

<10月も相次ぐ値上げ>
福島県郡山市のスーパー・ブイチェーン富田東店。この店では10月、ハムやソーセージなどの加工食品や菓子類など約200品目を値上げした。来店客も頭を抱えている。買い物客は「おかずを一品くらい減らしてね。そういう風にして(節約を)やってます」「電気代とかも上がって来ているから。お給料はあんまり変わらないから。厳しいなと思っています」と話す。

<自社ブランド商品でお得に>
このスーパーでは来店客を支援しようと、自社ブランドの商品に力を入れている。
たとえばウィンナーだと、大手メーカーの商品より量が多く、値段も同額以下。大量に仕入れることで原価を抑えている。そして、10月に仕入れの値段が上がった飲料水ではこんな工夫も。
ブイチェーン富田東店の遠藤尚仁店長は「値上がりする前に大量仕入れしまして、少しでもお安くと思って、提供させていただいております」という。

通常の倍の量を仕入れて価格は据え置き。それでも在庫が無くなり次第、値上げせざるを得ない。遠藤店長は「値上げに関しては、かなり心苦しいところもあるのですが、お客様にご理解いただくしかないのかなと思っております」と話した。

<子育て世代の悩みを相談>
郡山市内の公園で開かれた「さんごカフェ」。0歳から1歳の子どもと親が集まって、発育を促す親子体操などを行った。しゅふコミ・横尾恵美代表は「赤ちゃんが実際に生まれてきて、子育てをどうやったら良いのかなという悩みが沢山増えてくる時期なので、(看護師だったり、保育士だったり、)専門家と話したり、お家で孤独になりがちな時期なので、来てもらって沢山の方と話してもらうという事を目的にやっています」と話す。

<物価高にどう対処>
イベントを企画した横尾恵美さんは、子育て世代の様々な相談にのるが、話題となるのが「物価高」だ。横尾代表は「ちっちゃいお子さんの世代だと、おむつとかミルク、あと食べ物ですよね。毎日買わなくちゃいけない、野菜・牛乳とか、高くなっているなとは感じています」という。
多くのものを揃える必要がある子育ては葛藤の連続だ。30代の父親は「なるべく出来合いは買わないで作ったりするとか。オムツは節約はできないので、中々仕方ないかなってところはあります」と話す。

生後8ヵ月の男の子・碧君の母親、齋藤郁美さん。3人家族で食費全体の3割が碧君の食費だ。その大部分を占めるミルク代は、2ヵ月前と比べて約300円値上がりし、負担が増している。齋藤さんは「いろんなお店回って、安いところを。ネット(通販)とかも比較しながら、色んな情報を集めて、安いところ、安いところを探しています」という。

<子育てとお金>
子どもや将来の家計を考えてやりくりする子育て世代。
衆議院選挙では経済対策だけでなく、政治とカネの問題をめぐる論戦にも注目している。齋藤さんは「これから子育てして、2人目、3人目の子どもとかって考えていく中で、お金の問題ってすごく響いていくるので、しっかりとやって欲しいのと、子育てしやすいようにしてくれたら良いなと率直に思います」と話す。

<子育て世代が政治に求めること>
小学校の教員を務める齋藤さん。育児休暇は3年間取得できるが、家計のことも考えて1年間で職場に戻る予定だ。できるだけ碧君と触れ合う時間を作りたいと願う齋藤さんが、いま政治に求めることは?
「育休が3年取れるんですけども、なかなかやっぱり取りたくても取れない、復帰しなきゃいけないって状況なので、そこら辺もちょっと子どもと一緒に過ごせるように給付金とかが、もうちょっとあったら嬉しいなとは思います」と齋藤さんは話した。

衆議院選挙は10月27日に投開票される。