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<福島第一原発>燃料デブリ「取り出し」線量上限の120分の1で基準クリアを確認 完了に向け作業継続

福島第一原子力発電所2号機での燃料デブリの試験的取り出しをめぐり、東京電力は11月5日に、取り出したデブリの放射線量が今後の作業基準をクリアしていることを確認した。
燃料デブリは11月2日に事故後初めて格納容器の外への取り出しに成功していて、5日、今後の作業に支障がないとされる「1時間あたり24ミリシーベルト以下」を満たしていることを確認。約0.2ミリシーベルト/hと、判断基準の120分の1ほどだった。
今後、専用のコンテナにデブリを入れて、取り出し作業を完了させる計画。
デブリは直径5ミリ程度、重さは3グラム以下と見られている。

その後、輸送の準備が整い次第、茨城県にある日本原子力研究開発機構の研究施設に運び入れ、デブリの性状や事故時の状況を明らかにするための分析を行う方針。

第一原発には、事故で溶け落ちた核燃料が金属やコンクリートなどを巻き込んで固まった「燃料デブリ」が約880トンあると推計されている。
この取り扱いは廃炉の「最難関」とされ、当初2021年中に実施される予定だった「燃料デブリの試験的取り出し」は、ロボットの制作遅れや変更などで延期されていた。
取り出しの準備が整い、2024年8月22日に着手されるはずだったが、「ロボットを押し込むための棒の順番が間違ったまま準備されていた」というミスにより取りやめ。
9月10日に再開されたものの、カメラの不具合で9月17日に中断。
カメラを同じタイプの別のものに交換し、10月28日に作業が再開されていた。

【これまでの経緯】
■2021年:当初の試験的取り出し着手予定
⇒ロボットの開発遅れ、経路への堆積物の詰まり発覚などで延期
■2024年8月22日:試験的取り出し着手を計画するも「現場での棒の順番ミス」が発覚し取りやめ
⇒東京電力が現場に立ち会っていなかったことなどが問題に。
管理体制の見直しを行う。
■2024年9月10日:試験的取り出し作業に着手
■2024年9月14日:ロボットが一度デブリをつかむ
■2024年9月17日:カメラ4台のうち2台の映像が見られなくなるトラブルで中断
⇒高い放射線が影響でカメラ内部に電気がたまり不具合を起こしたと推定。
カメラ交換を決断。
■2024年10月24日:カメラの交換作業を完了
■2024年10月28日:試験的取り出し再開
■2024年10月30日:デブリの把持・吊り上げに成功
■2024年11月2日:デブリを事故後初めて格納容器外へ取り出し成功
■2024年11月5日:放射線量が「取り出し」基準クリアを確認