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取り出した燃料デブリに「核燃料由来」物質を確認<福島第一原発>

福島第一原子力発電所2号機から取り出された燃料デブリをめぐり、11月14日、東京電力はこの微量のカケラの中に「核燃料由来の放射性物質が確認できた」と公表した。
研究施設に輸送する前のガンマ線測定で明らかになったという。

福島第一原子力発電所2号機では、11月7日に、事故で溶け落ちた核燃料=燃料デブリの試験的取り出しが完了し、11月12日に事故後初めてデブリが原発構外へ輸送された。
輸送された日本原子力研究開発機構(JAEA)大洗原子力工学研究所では今後、デブリの詳細な分析を行うこととなっている。
JAEAは11月13日、輸送容器から燃料デブリを取り出したとしてその写真を公開した。
デブリの重さは0.7グラム、放射線量はデブリから20センチの距離で1時間あたり0.2ミリシーベルト。
このデブリに「核燃料由来」の物質が含まれているということになる。

JAEAは11月14日からX線を使った実際の分析に入っている。その後、顕微鏡で元素分析を行い、数カ月程度で結果をまとめる計画で、1年以内には総括的な評価をしていきたいとしている。

燃料デブリは第一原発での高い放射線の「発信源」となっていて、廃炉作業の大きな障壁となっているほか、これに触れた雨水や地下水が汚染水となって、大部分の放射性物質を取り除く処理をして「処理水」としてから海洋放出されている。

国と東京電力が掲げる「2051年までの廃炉完了」に向け、残る880トンのデブリの扱いや、1号機から3号機までの廃炉の姿とそこまでの道筋を示すことが求められる。

【これまでの2号機試験的取り出しの経緯】
■2021年:当初の試験的取り出し着手予定
⇒ロボットの開発遅れ、経路への堆積物の詰まり発覚などで延期
■2024年8月22日:試験的取り出し着手を計画するも「現場での棒の順番ミス」が発覚し取りやめ
⇒東京電力が現場に立ち会っていなかったことなどが問題に。
管理体制の見直しを行う。
■2024年9月10日:試験的取り出し作業に着手
■2024年9月14日:ロボットが一度デブリをつかむ
■2024年9月17日:カメラ4台のうち2台の映像が見られなくなるトラブルで中断
⇒高い放射線が影響でカメラ内部に電気がたまり不具合を起こしたと推定。
カメラ交換を決断。
■2024年10月24日:カメラの交換作業を完了
■2024年10月28日:試験的取り出し再開
■2024年10月30日:デブリの把持・吊り上げに成功
■2024年11月2日:デブリを事故後初めて格納容器外へ取り出し成功
■2024年11月5日:放射線量が「取り出し」基準クリアを確認
■2024年11月7日:試験的取り出し作業完了
■2024年11月8日:デブリの水素濃度などが輸送の基準を満たすこと確認
■2024年11月12日:事故後初めてデブリを第一原発構外へ 研究施設へ輸送