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双葉町の夜空に1万発 帰る・訪れるきっかけに 勇気と感動を...自身も避難経験 花火師の思い【福島発】

福島県双葉町で、9月28日に震災後初めての花火大会が開かれる。東日本大震災・原発事故で避難を経験した花火師は、自身が感じた花火の感動を被災地の人たちにも感じてほしいと願っている。

<町へ帰る・訪れるきっかけに>
2024年7月、花火の魅力を生かした一大イベントが開かれることが発表された。
花火師で作る福島煙火協会が企画した「双葉花火」は、2022年に復興拠点の避難指示が解除された福島県双葉町で1万発の花火が打ち上げられる。
会議に参加した双葉町民の高倉伊助さんは「震災後、帰りたくても戻れない地域。その場所で開催されれば、年一回でも家族で住んでいたところに戻ろうという気持ちになってくれるのでは」と期待を寄せる。
町民が集まり、町の復興を伝えるきっかけになってほしいというのは、花火師も同じ思いだ。福島煙火協会の糸井秀一会長は「いろいろな状況のある町ではありますけども、たくさんの人に集まってもらって、そしてみんなで夜空を見上げて笑顔になってもらえたら、それで満足」と話す。

<自身も避難経験 花火師の思い>
福島県須賀川市の糸井火工。特別な思いで大会用の花火を作っていたのは、花火師の青山浩士さん。原発事故があった時は小学生で、4年生まで山形県へ避難していた。青山さんは、当時見上げた花火の感動を今も覚えているという。
「花火師を目指した一番のきっかけは、郡山市で花火を見て勇気づけられたというか、そういうのをすごく感じた」と話す。
入社2年目にして、各地の大会で打ち上げの演出を任される青山さん。「双葉花火」では、あの時の思いを見る人にも感じて欲しいと願っている。
「お客さんの歓声を聞くと、やりがいをすごく感じる。震災にあって苦しんでた方も少なからずいると思うので、双葉花火では勇気というか、そういうのを感じてもらえたら」と青山さんは話した。

双葉花火は9月28日に開催され、町の夜空と見る人の心を明るく照らす。また2024年1月に地震で被災した、能登地域の花火師が作った花火も打ち上げられる予定だ。