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<福島第一原発>不具合カメラの交換作業継続 7ステップ中5ステップ目 取り出し再開時期はまだ見えず

福島第一原子力発電所2号機での燃料デブリの試験的取り出しの中断をめぐり、東京電力は10月18日までに不具合を起こしたカメラ2台を同じタイプの別のものに交換し、21日は交換用の作業部屋に設けられた小窓の閉鎖や、使用した資機材などの撤去作業を行う計画。
10月16日に開始された交換作業は全体で2週間ほどかかる見通し。現在は7ステップ中5ステップ目の段階だとしていて、今後、ロボット全体の動作確認や、格納容器につながる扉を開けても放射性物質が外部に飛散しないよう作業部屋の気密性の確認などを行うという。
試験的取り出しの再開時期はまだ見通せていない。

燃料デブリの試験的取り出しをめぐっては、ロボットが一度はデブリに触れたものの、カメラの映像が途切れ作業が中断されている。
強い放射線に晒されたことで内部に電気がたまって不具合を起こしたとみられ、再起動や強い電圧をかけることでも復旧せず、カメラの交換を行う決断に至った。
カメラは、同じ種類の別のカメラに交換されたが、東京電力は「前回は試験的取り出し作業中にカメラのスイッチを一時的に切ってしまったが、次は起動状態を維持して電気がたまらないようにすることで同じような不具合を回避する」としている。

燃料デブリの取り出しは廃炉の最難関とされ、試験的取り出しも当初2021年中に実施される予定だったが、ロボットの制作遅れや変更などで延期されていた。
取り出しの準備が整い、2024年8月22日に着手されるはずだったが、作業工程のミスで再び延期。9月10日に再開されたものの、カメラの不具合で9月17日に中断し、1か月あまりが経過している。