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作業再開した福島第一原発を福島県知事が視察 「県民が不安を持たざるを得ない状況を受け止めて」

東京電力・福島第一原発では、10月28日から燃料デブリの試験的取り出し作業が再開されている。
29日は、取り出し装置を水平方向までのばし切りこのあと、格納容器の底にあるデブリを目指していく計画だ。

9月10日に着手されたこの作業は、一度はロボットがデブリを掴んだものの、カメラが高い放射線で不具合を起こしたとみられ中断していた。
カメラを交換して作業を再開して2日目、29日は福島県の内堀知事が福島第一原発の現状を視察し「県民の皆さん、この第一原発の廃炉どうだろうかという不安を持たざるを得ないという状況を、ぜひ受け止めていただきたいと思います」と話した。

高い放射線の発信源となる燃料デブリの扱いは「廃炉の最難関」。
試験的取り出しも当初は2021年中に実施される予定だったが、ロボットの制作の遅れなどで延期され、作業が始まってからも作業工程のミスやカメラの不具合で二度中断している。

約880トンのデブリが残ると推計される福島第一原発について、国と東京電力は2051年までに廃炉を完遂するとしている。
視察後、内堀知事は「やはり高線量下における廃炉作業の困難さというものを実感しています。やはり復興の大前提が、東電の原発の廃炉対策が完遂することでありますので、その完遂を期待して見守っていきたいと思います」と語った。