<不祥事>福島空港内の盛土工事めぐり工事費漏らした県職員を起訴 「共有フォルダ」で担当外も見れる状態
福島空港内の道路工事をめぐり、入札妨害(公契約関係競売入札妨害)の罪で福島県職員が起訴された。
起訴されたのは会津若松建設事務所に勤務する須佐洋介主査で、起訴状によると、福島空港事務所に勤務していた2022年3月、県が発注した工事で、秘密事項である設計金額を石川町の土木会社の社員に教えたとされている。
福島空港事務所ではこれまでに、空港内の別の工事をめぐって2人の県職員が起訴されていて、須佐主査で3人目。
職員の起訴を受けて、県は2024年11月1日に会見を開いた。
Q 福島県が事案を把握したのはいつか?
A きのう10月31日に、本人から「警察から事情聴取を受けている」と聞いた。
Q 前回の職員の起訴を受け県で聞き取りはしていなかったのか?
A 土木部全員と面談し、須佐主査とも9月に面談を行った。「同じようなことをしていないか?」との問いに対し本人は「ない」と答えていた。
きのうの聞き取りでは「捜査中の案件として警察から止められていた。隠しておくことに罪悪感があった」としている。
Q 何の情報を漏らしたのか?
A 2022年3月に入札が行われた福島空港内の盛土工事にかかる直接工事費と諸経費。ここから設計金額は推計できる。
Q 相手の落札率は?
A 予定価格2億6492万8400円に対し、2億3636万8000円で落札。落札率は89.2%だが、調査基準価格との差額が29万5千円ほどなので、近くはなっている。
Q どうやって教えたのか?
A 相手からふせんに工事番号を記載して渡され、口頭でお願いされたと聞いている。そのふせんに金額を書いて渡したと。
Q 教えてしまった理由は?
A 須佐主査は2018年に空港事務所に配属され、5年ほど勤務するなかで、相手が空港業務に精通していることから業務のアドバイスを受けていた。プライベートな相談もするようになったことで相手を信頼し、「断れなかった」「信頼していたので金額を教えることの認識が甘かった」と話している。
Q 見返りは?
A 無いと聞いている。
Q 本人は金額を知れる立場にあったのか?
A 当時はコロナ禍で、分散勤務をするなか、外部からの問い合わせへの対応の効率化などのため、共有フォルダに多くのファイルを入れていた。須佐主査は当該工事の担当ではなかったが、金額を閲覧できる状況にあった。
Q 本人の言葉は?
A 「大変申し訳ない。多くの人に迷惑をかけ大変なことをしてしまった」
Q 先に起訴された職員との関係は?
A 同じ部署。この部署(建設課)は当時6人で、3人が起訴されたことになる。
Q 県としての対応は?
A 改めての職員への聞き取りが必要と思っている。不祥事を二度と起こすことの無いよう、県民の皆様の信頼回復に努める。