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燃料デブリ 3年遅れで原発敷地外に搬出へ 福島・双葉町の住民は? 廃炉の完成形が見えない現状

福島第一原発2号機の燃料デブリの試験的取り出しで、格納容器から取り出されたデブリが放射線量の基準値をクリアしたことで、事故後時初めて原発敷地外の研究施設に搬出されることになった。事故からは長い時間が経った。ようやくの進展、地元からは複雑な思いも聞かれた。

福島県双葉町の復興公営住宅で暮らす住民は、廃炉の行方を慎重に見守っていた。
「常にトラブルが起きておりますので、なんかそれがスムーズに行かないのかなって、そういうじれったさを感じております」
「トラブル(の段階)で終わっているから、良かったのかなと。これが事故ってなってしまうと、別問題なので、本当にそういったところはしっかりと真剣に現場に携わる方と連携しながら、しっかりと東京電力さんには、やって貰いたいなと思います」

一方、国と東京電力が掲げる2051年までの廃炉完了という目標については...。
「多分、長くなるような感じはしますね。その時に長くなる理由もね、ちゃんと説明して、地元住民の理解をいただければ、地元住民も安心するかと思います」
「計画そのものがどんどん遅れていると思われるので、次の世代、その次の世代ってどんどん先延ばしにならないで、なるべく短い期間でやっていったら、良いんじゃないかと思っています」

<記者解説>
地元の皆さん、「今後」への不安も聞かれた。
燃料デブリの試験的取り出しが開始されたことで、廃炉は最終段階の「第3期」に入ったが、当初の計画からは3年ほど遅れている。
ただし、国と東京電力は当初に描いていた「2051年に廃止措置を完了」はいまだに見直しをかけていないという状況だ。

◇そもそもこの先の廃炉がどう進められていくかが、あまり見えていないが。
1号機から3号機までそれぞれ現状を見ていくと、1号機は2024年2月から3月にかけてドローンでの調査を実施しはじめて「気中で」「デブリのようなもの」を確認したという段階。
2号機は試験的取り出しでようやく3グラム以下のデブリに接触。
3号機は「大規模取出し」に向け"一部をセメントのような充填剤で固めて気中で水をかけながら取り出す"という方法で、東京電力が具体的な行程や予算規模を検討している段階。
それぞれ「こうなったら廃炉完了」の完成形もまだ描けていない状況だ。

燃料デブリは1号機から3号機までに880トンあると推計されている。慎重に安全に廃炉を進めるのはもちろんだが、その場の計画の見直しだけでは福島の今後の姿も見えてこない。
「本当に2051年までに完了できるのか」という見通しや最終的に目指す廃炉の姿をしっかりと示すことが、国と東京電力に求められている。