燃料デブリの試験的取り出しが完了 原発事故から13年余りで 今後は研究施設で分析 廃炉計画のヒントに
小さなかたまりから今後の廃炉のヒントは見つかるのか。
東京電力の担当者:「まだ今回のデブリ取り出しだけでは、材料がなかなか全部網羅できているとは思っていません。(廃炉が)進んだということを考えるよりもですね、慎重に、安全最優先に着実に取り組んでまいりたいと考えています」
運搬用の容器に入れられたこの小さなかたまりは、原発事故で溶け落ちた核燃料がコンクリートなどと混ざった燃料デブリ。
強い放射線に耐えられるコンテナに入れる作業も7日に終了。福島第一原子力発電所2号機で行われていた試験的取り出し作業が、11月7日午前11時40分に完了した。
事故後初めて取り出された燃料デブリは直径約5ミリ、重さ3グラム以下とされ、放射線量は1時間あたり0.2ミリシーベルト。自然界から1年間に受ける放射線量にわずか10時間で達するレベルだ。(※日本だと年間2.1ミリシーベルト)
事故から13年余りが経つ中、当初の計画から約3年遅れで実現した廃炉の「最難関」とされる燃料デブリの取り出し。
東京電力は今後、この燃料デブリを茨城県の研究施設で分析し、事故当時の状況などを推定するなどして今後の廃炉計画のヒントとしたい考えだ。