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取り出された燃料デブリ 事故後初めて福島第一原発の敷地外に 茨城県の研究施設へ輸送完了 詳細分析へ

原発事故から13年8ヵ月が経つなか、廃炉に向けた大きな一歩。福島第一原子力発電所2号機で取り出された燃料デブリ。11月12日、原発事故後初めて敷地の外へ運び出され、約5時間かけて茨城県の研究施設への輸送を完了した。

FNN取材班・林口貴久カメラマン:「原発事故から13年8ヵ月、廃炉に向けた大きな一歩です。事故後初めて、燃料デブリを乗せた車が第一原発の外へ向かいます」

12日午前、福島第一原子力発電所を出発した1台のトラック。
福島テレビ・矢崎佑太郎アナウンサー:「燃料デブリを載せたとみられるトラックがやってきました。トラックには放射性物質のマークが付いています。福島第一原発からおよそ12キロ、大熊インターチェンジの前です。車に2台に挟まれる形で、燃料デブリを載せたとみられるトラックが、これから高速道路に乗り茨城県の研究施設へと輸送されていきます」

事故で溶け落ちた核燃料が原子炉内の金属などを巻き込んで固まった「燃料デブリ」。福島第一原子力発電所の敷地の外へ運び出されたのは、2011年の事故後初めてだ。燃料デブリは強い放射線に耐えられる容器に入れられ、高速道路や一般道路を使い、日本原子力研究開発機構の大洗研究所へ。

FNN取材班・佐々木洸司記者:「福島第一原子力発電所から取り出された核燃料デブリが、いま茨城にある研究施設に入りました。取り出しに向けて詳細な分析が行われることと思われます」

11月7日に完了した福島第一原発2号機の試験的取り出しで採取された0.7グラムの輸送にかかった時間は約5時間。
今後は大洗研究所で燃料デブリに含まれる物質から事故が起きた時の状況などを推定。廃炉の最難関とされる燃料デブリの本格的な取り出しにつなげる計画だ。

原発事故から13年8ヵ月、廃炉に向けた大きな一歩に東京電力は...。
東京電力の担当者:「こちらの分析の方することで、今後の燃料デブリの取り出しに有効な情報等を得られるという風に考えておりますので」

福島第一原子力発電所に燃料デブリは880トンあると推計されていて、国と東京電力は2051年までに廃炉を完了させるとしている。