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燃料デブリを搬出 JAEAで詳細分析 専門家の視点「継続的な取り出し」が重要 安全な廃炉につながる 

11月12日、2011年の事故後初めて燃料デブリが福島第一原発の外に運び出された。専門家は、「継続的な取り出し」の重要性を指摘する。

「原発事故から13年8ヵ月、廃炉に向けた大きな一歩です。事故後初めて、燃料デブリを乗せた車が第一原発の外へ向かいます」

震災と原発事故から13年8ヵ月、福島第一原発2号機から取り出されたデブリは、12日はじめて敷地の外へ運び出され、茨城県にある研究施設へと輸送された。数ヵ月から1年をかけて詳細な分析が行われる。
JAEA・日本原子力研究開発機構の担当者は「こういったことをですね、継続して実施していくことによりまして、今後ですね、将来本格的な燃料取り出しに向けた方策の検討に資するものという風に考えてございます」と話した。

原子炉の安全性や廃炉を研究する専門家は。
東京大学・岡本孝司教授は「わずかなちっちゃなデブリですけれども、事故の当初、13年前に何が起きたかということをデブリの小さな塊の中に保持しているわけなんですね。ある意味タイムカプセルといいますか」と話す。岡本教授は今回成功した「デブリの取り出し」を継続していくことが廃炉にとって重要だという。

東京大学・岡本孝司教授:「今まで手探りだったのに、ちょこっとですけれども少し情報が増えてきた。これを繰りかえして色々情報を増やしていくと、安全な廃炉につながると。下手に慌ててやって危ない状態にするのは本末転倒ですので、51年(廃炉完了の2051年)というか、スケジュールをキープするという目標もあるんですけれども、そのために安全がないがしろになってはいけませんので」

国と東京電力が目指す「2051までの廃炉完了」、そこに向かって最終段階の「第3期」に入った今、その道筋をしっかりと示すことが求められている。