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60年の歴史に幕 福島・飯坂温泉の共同浴場「切湯」...利用者減少などで 熱い湯に別れを惜しむ

長年愛されてきた共同浴場が2024年11月14日営業を終了する。
福島市・飯坂温泉にある「切湯」。最後まで訪れる人の体を温めている。

まだ辺りもくらい午前6時。
熱い温泉を求めて最終日の14日も多くの人が訪れる。
福島市・飯坂温泉にある共同浴場「切湯」。源泉の温度は60℃、浴槽でも約45℃の熱い湯は、江戸時代から切り傷に良く効くとされ、名前の由来ともなっている。

風呂上がりの男性は「私は小学校に上がる前から来ておりましてね。まあちょっとやっぱり長い間ね、お世話になってたからね。やっぱり寂しいってゆうかね、残念でしょうがないですね」と話す。

「切湯」を管理する福島市では、利用者の減少、そして「切湯」の上にある廃業した旅館の保全が難しいとして、14日で営業終了を決めた。
最後の入浴を楽しみたいと、県外からもファンが駆けつけ、別れを惜しんだ。

仙台市から訪れた女性は「えーもう(廃止を)知った時にはすごくショックで、必ずそれまでにはもう一回きたいなと思って」と話し、湯船につかった男性は「そうっすねえ、やっぱりこの秘密基地みたいな空間だとか、あと名前が切湯っていうので、マラソン大会で目標のタイムが切れるように、ゲン担ぎで良く来てたところですね」という。

福島テレビ・丹治響貴記者:「うわあ熱いですね。全身がびりびりとしびれて、冴えわたるような熱さです」

約60年、愛されてきた憩いの場。
営業を終える最後まで、訪れた人を熱いお湯で温める。
(2024年11月14日午後10時で営業終了)

<福島市の共同浴場は2025年2月から値上げへ>
地域の人にとっては当たり前のようにあった共同浴場が無くなるのは寂しい。
福島市内の公衆浴場・共同浴場は、全体的に利用者が減っていて、存続に向けて2025年2月から入浴料を引き上げる。
飯坂温泉にある8つの共同浴場では入浴料が一律200円引き上げ。波来湯は300円から500円。十綱湯、天王寺穴原湯、八幡の湯、大門の湯、鯖湖湯仙気の湯、導専の湯は200円から400円。
また、「もにわの湯」は250円から400円に、高湯温泉「あったか湯」は250円から500円にそれぞれ入浴料が変わる。