住民からは安堵の声 福島・西郷村の盛土 行政代執行が終了 県が安全対策 経費は盛土した業者に請求へ
福島県西郷村で問題となっていた盛り土・盛土。土砂を撤去する行政代執行がようやく終了した。安全対策が取られ、住民からは安堵の声が聞かれたが、福島県は盛土業者に対して経費を請求する方針だ。
西郷村真船地区で住民を悩ませてきた大量の盛土。
行政代執行を進めてきた福島県は3月24日、県南建設事務所の手塚孝良所長が「午前11時、行政代執行の終了を宣言いたします」と宣言。
2024年8月に着手された土砂の撤去工事。土砂が流出し住宅に被害が及ぶ可能性があるとして、盛土規制法に基づく県内初の行政代執行だった。
行政代執行で低くなった盛土は3段に整えられ、法面には植生マットが敷かれ、草を生やすことで土砂崩れを防ぐ。盛土全体の約3分の1にあたる1万4千立法メートルの土砂を撤去し、撤去前と比べると高さは7メートル低くなり、勾配は最大48度から30度に抑えられた。
福島県都市計画課の櫻澤一朝副課長は「計画した通りの形状と材料もしっかり、植生マットもしっかり固定されているので、安全な形になっていると思います」と話す。
盛土の近くに住む児山英雄さんは土砂崩れに不安を抱えてきた。大雨の時には村営住宅に一時避難するなどしていて、工事の終了に安堵している。
近隣住民の児山英雄さんは「自然(災害で)って、いつどういう状態で来るか分からないので、そういった不安はずっとありました。安心感は覚えました」と安堵している。
福島県の内堀知事は盛土への警戒を続けるとしている。
内堀雅雄知事は会見で「福島県においては引き続き、危険な盛土等の抑止に向け、県警や市町村等と連携をしながら、県民の安全安心の確保がはかられるよう、取り組んでまいります」と述べた。
盛土を主導した埼玉県の男は、盛土規制法違反の疑いで書類送検されていて、県は約1億5500万円あまりの工事の経費を男に請求することにしている。