握りこぶし大のデブリを年間12回受け入れ可能 分析施設3月31日に着工<福島第一原発>

福島第一原子力発電所の敷地内に初めて建設される燃料デブリの分析施設が、3月31日に着工した。
福島第一原子力発電所の構内には、燃料デブリや放射能濃度が高い廃棄物の分析・研究を行う施設として「放射性物質分析・研究施設第2棟」の建設が計画されていて、この施設の整備・運用を行う日本原子力研究開発機構(JAEA)は、2025年3月31日にこの施設の建設工事に着工したと公表した。
施設の建設をめぐっては、3月25日に福島県が「検討の結果、適切に計画されていると評価した」として、東京電力に対して、安全協定に基づく建設の事前了解を通知した。
燃料デブリなど放射能濃度の高い物質を扱うことから、福島県は、周辺地域の安全確保などの要求事項を確実に実施するとともに、燃料デブリを含む放射性廃棄物の安全な処理・処分についての検討を進めて県外搬出の取組みを進めるよう東京電力に求めている。
同日に、双葉町、大熊町も建設についての事前了解をした。
東京電力はこの施設について、2026年度内に完成・運用開始したいとしていて、3号機で計画される燃料デブリの大規模取出しや、2号機での本格的な取出しで得られた燃料デブリの分析などが行われる計画。
JAEAによると、施設では握りこぶし大の燃料デブリを、最大で年間12回受け入れることができる。