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トラブル原因は"バッテリー切れ"か 高線量源の"土のう"回収準備再開<福島第一原発>

福島第一原子力発電所に大量に残る高線量の"劣化土のう"について、回収の準備作業がトラブルで中断していた問題で、設備の"バッテリー"を交換したところ正常な動作が確認でき、3月25日に作業が再開できることになった。

東京電力はこの"土のう"について、3月24日に回収に向けての準備として"破砕"作業を開始する計画だったが、水中に浮かんでいるロボットをつないでいたクレーンのフックが外れず、ロボットが遠くまで動けなくなってしまったとして中断を公表していた。

土のうが残るのは、地下水などが燃料デブリに触れて発生した「汚染水」を浄化して「処理水」にする過程での通り道になっている建物で、プロセス主建屋と高温焼却炉建屋の2つ。
事故当時から、高線量の「汚染水」を浄化するため、放射性物質を吸着するゼオライトの土のうと、油分などを吸着する活性炭の土のうが大量に投入された。
ゼオライト土のうの表面線量は1時間あたり4400ミリシーベルトと高く、時間の経過によって劣化して破れるなどして、大部分が地下に流れ込み「汚染水」に浸かってしまっている。
2024年11月に採取された燃料デブリの表面線量が1時間あたり8ミリシーベルトなので、単純計算で500倍以上の放射線量。
このゼオライト土のうだけで、2つの建屋に合わせて約1300袋・26tが残されていると推計される。

集積作業は当初、2025年1月から2月の着手を計画していたが、現場が非常に高線量であることから、十分な安全対策をとる必要があるとして後ろ倒しした。

土のうの破砕後、破砕したものをロボットで集め、その後、地上階に移して脱水などをしたうえで一時保管施設に運び入れる計画。
作業の終了は2026年度から2027年度を見込んでいる。