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新米の店頭価格の基準となるコメの「概算金」 福島県は3割上昇 販売業者は去年より2割値上げを検討

全国的にコメの品不足が続く中、新米の店頭価格の基準となる福島県のコメの「概算金」が3割ほど上昇したことがわかった。

コメの概算金は、JAが新米を集荷する際に農家に支払う前払い金で、新米の店頭価格の基準となる。
JA全農福島によると、会津産のコシヒカリが1俵60キロあたり1万6800円、ひとめぼれが1万6100円など、2023年よりも軒並み4000円から4300円上昇。コメの生産コストが上がっていることを背景に、ここ30年で最大の上げ幅となった。

9月中旬から始まる稲刈りに向け、田んぼの草刈りをする内山正勝さん。天栄村でコシヒカリやひとめぼれなど毎年約100トンのコメを生産している。
今年は物価高で肥料や農薬などの経費が2023年より3割ほど増えたため、概算金の引き上げには胸をなでおろしている。
内山さんは「今までが、本当に値段が安いという事で、農家にとってはかなり厳しい状況が続いていたということで、本当に有難いなと思っています」と話す。

一方で不安なのは、消費者の「コメ離れ」。
現在のコメ不足に続き、新米の店頭価格が上がることで、購買意欲にも影響してくるのではと話す。内山さんは「いろんな面で物価が上がっているということで、消費者の心理も主食であるコメが大幅に値上がりすることは、どうしても『コメ離れ』が起きないといいなという懸念は持ってます」という。

一方、県内のコメの販売業者は、福島テレビの取材に、新米の販売価格について2023年から2割ほどの値上げを検討したいと話している。