福島・南会津町の2つのスキー場が2030年度閉鎖へ 利用客回復せず維持費かさむ 岐路に立つスキー場
年末年始の休みを利用して、冬のスポーツを楽しむという人も多い。そうした中、福島県内の一部のスキー場は、利用客の減少を受け岐路に立たされている。
閉鎖する方針となった南会津町のスキー場では、平日にもかかわらず、スキーヤーやスノーボーダーが滑りを楽しんでいる。
南会津町の「会津高原だいくらスキー場」。利用者の減少を背景に、スキー場の維持費をまかなうことが難しくなり、2030年度末で閉鎖の見通しとなった。
スキー客は「ここなくなると困っちゃうんだよね。一番来やすいし冬も道路がアクセスがいいから来やすい」「致し方無いのかなというところはあるんですけど、続けられる方法があったら検討してもらえたらうれしい」と惜しむ声が上がる。
南会津町によると、町内にある4つのスキー場のうち閉鎖の方針が示されたのは「だいくらスキー場」と「北日光・高畑スキー場」。
2つのスキー場を合わせた観光客の数は、若者のレジャーの多様化や原発事故・コロナの落ち込みからの回復が思うように進まないことなどを背景に、この15年間で6割ほどに減少した。
「だいくらスキー場」では、スキー場で使う圧雪車の維持費だけでも年間約2000万円。人口が減っていくなかで、どうやって観光客を呼び込み、町の観光資源を今後どう守るのかには、行政だけの議論では限界があるという。
南会津町商工観光課の渡部秀介課長は「財政的な課題が抱えながらどこまでできるのかっていうのはやっぱりまず行政側としても限界があるので、町の若い人たちがですね組織を作って、そういった取り組みいろんな考え方、新しい考え方でですね、町に提案していただくのもやっぱり当然必要なのかなと思っていますので」と話す。
町は1月下旬に住民説明会を開いて閉鎖計画を進める方針で、福島県も県内スキー場の維持に向け、インバウンドの誘致などを強化する方針だ。