二十歳の目標「変わらぬ努力」「たくさんの人を幸せに」 思い新たに1万8000人が成人式迎える 福島
福島県内の多くの市町村で、二十歳の門出を祝う式典が開かれた。
代表の伊藤彩恵さんが「自分たちが、日本中・世界中と福島市の架け橋となれるよう、今だからこそ感じる、故郷を大事に思う気持ちを再確認したいと思います」とあいさつした福島市の「二十歳の集い」には約1900人が参加した。
福島市の会場で聞いた「人生の節目を迎えたみなさんの目標は?」
『調理師免許取得』を目指す男性は「知識をどんどん身に付けて、職場でも技術とか身に付けて行けたらいい」と話す。
仲良し女子3人組の目標は『たくさんの人を幸せにできる人!』だという。4月から保育士になる女性は「子どもたちを笑顔にできるような保育士になりたい」と話す。また看護業界目指して勉強中の女性は「将来たくさんの人を助けて、幸せにできる人になりたい」と話した。
一方、町の大部分で避難指示が続く双葉町は、避難先からの出席率が伸び悩んでいることから式典の中止を検討したが強い要望を受け開催へ。震災当時はまだ6歳だった12人がふるさと・双葉で再会を果たした。
「久しぶりに会った人たちもいるので、再会はうれしかった」と話す小畑大地さんの目標は『変わらぬ努力』だという。埼玉県で大学に通い教師を目指すという小畑さん。「大きな節目ではあるが、将来の夢に向かって今と変わらない努力と、今と変わらない目標で頑張っていけたら」と語った。
式典のあと参加者たちは、町の「復興のシンボル」として整備が進む橋を渡り、復興に向けて歩みを続ける「ふるさとの今」を見つめた。
参加した松本來夢さんは「今回、双葉町への記憶が少しでも増えたことで、より故郷への思いが強くなり、いい機会になった。日頃から感謝の気持ちや思いやりを当たり前にしないで、これからも感謝しながら生きていきたい」と話した。
福島県内の成人式の対象者は1万8000人あまりとなり、過去最少を更新した。
2025年は「団塊の世代」がすべて75歳以上の後期高齢者になるという「2025年問題」が懸念されているが、若い皆さんが夢や目標を叶えて世の中をリードできる社会になることを願う。