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考えを分かりやすく伝える力を重視? 入試問題からひも解く"求められる生徒像" 福島県立安積中学校

1月11日に行われたのは、2025年4月に開校する福島県立安積中学校の入学試験。
倍率5.12倍という県立中としては過去最も高い倍率となったこの学校が目指すのは「次世代のリーダー」の育成だ。

<県立安積中学校の特色>
安積高校に校舎を併設し、少人数指導やコース別の学習などに力を入れた中高一貫教育を実施。一般的な中学校と比べて、授業時間は1週間あたり2時間多く、数学・英語の時間をはじめ、理論的思考やコミュニケーション力を培うディベートなどに力を入れる。

<狭き門に臨んだ小学生たち>
将来の夢をつかむため、307人の受験生が筆記や面接の試験に臨んだ。
受験生は「算数の読み解く問題が、ちょっと苦手で難しかった。将来の夢の医師に一番近づける場所だと思ったから受験した」「世界志向の学びや探求学習といった他の中学校にはないところに興味を持った」と話す。
また保護者は「"一生懸命自分でやりぬく"という目標に向かって頑張っていたところが、本当に大きく成長した。特にこの1年間は成長したと思う」と話した。

<長文を早く正確に読み取る>
実際に出題された試験問題から「求められる生徒像」を読み解くため、県立安積中の受験に対応したコースを設ける進学プラザグループ郡山本部校の小久保隼徳先生に解説をしてもらった。
小久保先生は「どの科目も問題がとても長く、図やグラフが多く出題されました。
なので、まずはしっかりと問題文を読み解く集中力。そして、図や表など資料を活用する力も必要になる」と指摘し、長い文章から必要な情報を素早く正確に読み取れるかがカギだという。

<実際にはどんな問題が?>
オリンピックをきっかけにした『国旗は縦の長さが横の長さの3分の2。日本とフランスの赤い部分の差は?』という算数の問題では「面積を求めるために必要な情報は何かということを掴むこと。まずこれが第1のステップ。その必要な情報が分かったうえで、それを問題文から正確に拾ってくる事が出来るか。これが第2のステップかな」と小久保先生はいう。
また、『グラフと表から福島の農業についてどのようなことが分かりますか』という、問題を通して「福島のいま」を考えさせるというものも。福島で「新しく農業を始めた人」が増えていることに気づけるかがポイントだ。
小久保先生は「グラフから読み取る、表から読み取る2つが必要で、なんとなく読み取れることが分かったかもしれないけど、それを上手く言葉に現して記述するっていうハードルは高いかなと思います」と話した。

小久保先生によると「中高一貫で、探求力を持ちながら積極的に学び活動出来る生徒が求められている」として、世の中の話題に興味を持ちながら「自分の考えを分かりやすく伝える力」が重要になるようだ。