プロのアーティストを夢見て、ダンススタジオでレッスンを続ける高校生がいる。ここに集まるこどもたちからは「元気」の二文字が溢れている。福島県南相馬市から日本中へ、元気を届けること目指して活動する女性たちの挑戦があった。

＜アクターズスクールでプロを目指す＞
南相馬市を拠点にするアクターズスクール。歌に、ダンス。自分にしかできない表現を磨いている。
高校3年生のＲＩＮＡさん。設立当初から活動するメンバーの一人で、プロのアーティストを目指している。「歌とダンスの場所を作ってくれた人だから、これからずっと続けていって欲しいし、私に希望を与えてくれた、一番大リスペクトしている先生です」と話すＲＩＮＡさん。ＲＩＮＡさんが憧れと話す存在が、代表のｎａｐｐｏさんこと狩野菜穂さんだ。数々のアーティストやＣＭの楽曲提供を手掛けるプロのシンガーソングライターとして東京で活動してきた。

＜復興支援の曲がきっかけ＞
狩野さんが福島と関わようになったきっかけ。それが復興支援の目的で作った曲だった。狩野さんは「あのね菜穂さん、あなたの曲で子どもが飛び跳ねて踊ってる。（震災と原発事故で）子どもがすごい少なくなったんだけど、残っている子たちがね、あなたの歌でぴょこぴょこ飛び跳ねてるんだよって言われたので。ずっと南相馬で歌を作り続けなきゃいけないと思ったし、こっちの方が音楽だなって思ったんですね」と語る。

＜トモダチプロジェクト＞
震災の翌年に本格始動したアクターズスクール・トモダチプロジェクト。狩野さんがゼロから立ち上げた場所とステージは、こどもたちにとって夢に溢れていた。
ＲＩＮＡさんは「まさか震災があって瓦礫とか色々あったのに、今では色んな子ども達と一緒にステージできるのが嘘みたいな。私が演技やるの？ダンスやるの？みたいな、本当楽しかったですね。今でも忘れられないです」という。原発事故の影響で多くの友達が避難し、外で思うように遊ぶこともできなかった当時のＲＩＮＡさん。アクターズスクールは大切な遊び場となり、いつしか夢を育む場所になった。

＜全国に通用するパフォーマーを＞
設立から13年。これまで約100人がこのアクターズスクールを巣立ち、現在は南相馬市と浪江町で開くレッスンに合わせて約50人が参加している。
トモダチプロジェクト代表のｎａｐｐｏこと狩野菜穂さんは「日本に、全国に通用するパフォーマンスをする子を育てていきたいですし、福島の浜通りってすごいよね。めっちゃいい子いっぱい出たよねって言われる地域になりたいし、絶対なると思っている」と話す。

＜南相馬から元気を伝える＞
現在は高校に通いながら、アルバイト代で仙台や東京で開かれるレッスンを受けているＲＩＮＡさん。プロになり、届けたい思いがある。「私は（被災地のこと）それをプラスのイメージに変えたいって言うか。もう今はマイナスじゃないよっていうのを私が伝えたいなというのは思います。大変だね、心配だねっていう声が多いけど、それを覆せる活動が私にできると思うから、色んな所で歌って踊って元気を届けたいなと思います」と語った。
福島、南相馬市から全国へ。この場所から元気を届ける挑戦は続く。

トモダチプロジェクトでは一緒に夢を追いかけるキャストを募集している。詳しくはＨＰを。