ニュース

観光・物流だけじゃない!災害対応でも重要に「小名浜道路」東日本大震災から14年 強化される福島の防災

東日本大震災の地震と津波を受け、福島県内では800あまりの道路と橋が被災し、避難やその後の復旧・復興活動の大きな壁となった。県内の災害復旧工事、いわゆる「元に戻す」工事はほぼ全てが完了し、いま各地で進むのは「震災前よりも強い福島を作る」取り組みだ。

■ふくしま復興再生道路
観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した東日本大震災。福島県内には10メートルを大きく超える津波が押し寄せたと推定され、沿岸の市町村の面積の約5%が浸水した。その後1カ月の間に、マグニチュード5以上の余震は120回にものぼる。
福島県内では震災後、復興や帰還の加速のため浜通りと中通りをつなぐ8路線を「ふくしま復興再生道路」に位置付け整備を進めている。

■災害対応を見越して
2025年夏ごろに開通する自動車専用道路「小名浜道路」は、常磐道と小名浜港を約10分で結ぶ。物流・観光の活性化が期待できるだけでなく速やかな避難、そして物資の輸送といった災害の時に大きな役割を果たすことが期待されている。
小名浜道路の起点となる小名浜港は、2024年に海外とのコンテナをやり取りする国際物流の「支流」としての定期航路を復活させるなど、その存在感を高めている。
災害時には、物資の受け入れ拠点となることも想定されている小名浜港。小名浜道路は、物資の運搬や復旧工事に入る車が通行することを見越し、カーブをゆるく設計するなど大型の車両に対応できる規格となっている。
いわき建設事務所の小林元彦さんは「災害が起きた際には、避難路としての活用や被災地までの支援物資の輸送、被災箇所の復旧・復興。我々が災害復旧する場合には、壊れたものをもとに戻すだけではなく、次の災害に備えて早期復旧できるようにしっかりした道路を築いておくことが非常に重要」と話す。

あの日の悲しみ・苦しみを繰り返さないように形にして次の世代に伝えていく。小名浜道路の開通はまもなくだ。