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共働き家庭の「小1の壁」解消へ 福島市の保護者参加型の「放課後クラブ」 子供たちの居場所を確保

共働き世帯の悩み「小1の壁」を乗り越えるため、福島市立子山地区では保護者が当番制で運営に参加する「放課後クラブ」が開講した。地域住民と協力し、子どもたちの放課後の居場所を守る新たな取り組みが始まっている。

■小1の壁とは?

子どもが小学校に進学するのに伴い、共働きの世帯が直面するのが『小1の壁』。これまで出来ていた育児と仕事の両立が、小学校の入学により難しくなってしまうことを意味している。


その要因の一つに、学童などを利用できないと、子どもを預けられる時間が保育園などの時と比べて短くなってしまうことが挙げられる。


この『小1の壁』を乗り越えようと、地区の保護者が協力し子どもの居場所づくりを目指す取り組みが福島市で始まっている。


■地域で支えあう放課後クラブ

福島市の立子山小学校。午後3時、授業を終えた3年生から6年生までの児童8人が仲良く向かったのは、2025年度から同じ小学校内に開講した「たつこ放課後クラブ」だ。児童の保護者と地域の住民の2人体制で、子どもたちを見守っている。


このうち、児童の保護者については立子山小学校に通う全7世帯が協力している。いずれも共働きのため、当番の際には有給休暇などを取得し地域で支え合っているのが大きな特徴だ。保護者は「時間給もあるので、午後から休みを取っている。会社の協力なしではできないので、会社にお願いしてやっています」と話す。


■持続的な運営に期待

担い手不足で「放課後クラブ」が姿を消しかけた立子山地区。「安心して子どもたちが放課後に遊べる場所を」という思いでできた子どもたちの居場所だ。
保護者は「保護者の中で協力して分担している部分もあるので、お互いに支え合っている感じ」と話す。


保護者が運営に関わるようになってから2年目の2025年度は、福島市からの援助も受けられるようになった。さらに地域住民のサポーターが7人増え、さらなる持続的な運営が期待されている。


コーディネーターの寺島正嗣さんは「立子山のクラブは、保護者が全員自分事としてクラブに参画する。子どもたちを健やかに育む、みんなで育てるということで、この地域課題の解決を図っていきたい」と話した。