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影響は避けられないのか!?トランプ関税 アメリカへ県産米を輸出する企業「売上にも関わってくる」福島県

アメリカ・トランプ大統領は、発動した相互関税をめぐり一部を停止する考えを表明した。大きな混乱のなかにいる世界経済。福島県内からも戸惑いの声が聞かれた。

■価格差を懸念 輸出ストップ
北米を中心に福島県産米「天のつぶ」の輸出を手がける、福島市の株式会社LAB。
アメリカ・トランプ大統領が関税の引き上げを表明したことを受け、予定されていた15トンほどのコメの輸出にストップがかかった。
株式会社LABの高橋義和さんは「弊社のコメ自体も、現地の販売価格の高騰にかなり影響してきますし、逆に現地で売られているカリフォルニア米に対しての価格差がすごく出てしまうということでストップした」と説明する。

■上乗せ分を90日間停止に
トランプ大統領は、4月5日にほぼすべての貿易相手国に10%の関税を発動。9日には国ごとに「同水準の関税を課す」として日本は24%となったが、約13時間後にはこの上乗せ分について「90日間の停止」を発表した。

■福島への影響は避けられない?
2021年度に日本産の精米の輸出が解禁されたアメリカでは、右肩上がりに大きく輸出量をのばしてきたが、福島県産品全体で見ても最大の輸出相手国はアメリカで、福島に影響をもたらすことは避けられないとみられる。
株式会社LABでも、輸出先を切り替えるなど今後の対応を検討する方針だという。「現地の日系スーパーなどとの年間契約自体も、今後この関税率の問題でもしかしたら100%受け入れることはできませんという連絡はいただいている。アメリカの輸出が決まって順調に行ってきたので、今回の関税で一気に受注が減ってしまうというのは正直売上にも関わってくる」と高橋さんは話した。
心配される県内の産業への影響...福島県は中小企業への支援として、特別相談窓口を設置し、福島県の制度資金の活用や経営相談に応じている。

相互関税をめぐっては貿易戦争の激化も懸念され、金融市場にも動揺が広がっている。アメリカは各国・地域との交渉期間を設けるとしていて、今後の対応が注目される。