小1児童バスに置き去り 窓からジャンプ...自力で脱出 当初事実が保護者に伝わらず 福島・会津坂下町
福島県会津坂下町の児童が、送迎用のバスに置き去りにされた問題。バスに閉じ込められた児童は、ランドセルをクッション代わりにしてバスの窓から飛び降り、自力で脱出していたことが分かった。児童にケガはなかったが、いったい何が起きていたのか?
■入学式の翌日にバスに置き去り
入学式の翌日のこと。送迎用のバスで下校中に寝てしまった児童は、目を覚ますとバスの車庫にいた。ドアには鍵がかかっていたため内側から自力で窓を開けて脱出し、近くの通りに出て泣きながら助けを求めたということだ。
会津坂下町で問題が起きたのは4月8日。町の教育委員会によると、送迎用バスの運転手が、小学1年生の児童を車内に置き去りにしたまま、バスを車庫に戻してしまったという。
■自力で窓を開け脱出
閉じ込められた児童の保護者は「起きた時に、もうバスの人も誰もいなくて、自分一人でドアを開けようと思ってもドアが開かなかったから、窓を開けてランドセルを投げてから自分もジャンプした」と説明する。
ランドセルをクッション代わりにした児童は、その後車庫からすぐ近くの店舗に助けを求めて保護された。ケガはなかったが...。
保護者は「また寝ちゃって、知らないところで降りたくないと言われて、結構最初は不安定。朝とかも、まだ(バスで)行きたくないと」という。
■当初事実が保護者に伝わらず
一方、こうした置き去りの事実は、当初保護者に伝わっていなかった。
児童の保護者は「学校からは息子が居眠りしちゃって、バスの最終の停まる所で自分から降りて歩いた(と当初は説明を受けた)。起きたこと(置き去り)をそのまま伝えてもらっていたら、たぶん仕事を抜け出して迎えに行っていましたね」と話す。
■「隠す意図はなかった」と町教育委員会
この問題を調べていた会津坂下町教育委員会と学校側との連携不足が原因とみられ、教育委員会は「隠す意図はなかった」とコメントしている。
他県でも確認されている"置き去り"について福島県の内堀知事は...。
「今回の事案は、一つの町、一つの地域の事案ということではなく、県教育委員会、市町村教育委員会等も、あるいは市町村も連携して、こういった事案を二度と起こさないようにしっかり取り組んでいこう」とコメントした。
町は今後、マニュアルの作成など再発防止に向けた対策を進めていく方針だ。