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東日本台風から5年 黙とう~被災地のいま 店を再開した鮮魚店は防災意識に変化 災害への備え《福島県》

甚大な被害をもたらした東日本台風から10月12日で5年。福島県の阿武隈川などで大規模な氾らんが発生し、40人の尊い命が失われた。各地では祈りが捧げられ、防災対策が進められている。

「黙祷を始めてください」11日朝の福島県庁。職員が犠牲者に黙祷を捧げた。

<東日本台風で甚大な被害>
2019年10月12日、5年前の東日本台風。
福島県内各地で河川が氾らんし、住宅被害は2万棟以上。関連死も含めて40人が犠牲に...現在も避難生活を続けている人もいる。
福島県災害対策課・佐久間止揚課長は「(被災者の)ひとりひとりに寄り添った対応、例えばですね、住宅をどのように確保していくのか。そういったところも含めて被災する前、被災した後の取り組みを進めていきたい」と話す。

災害から命を守るために...浸水被害から立ち上がり、防災意識を高める住民もいる。

<被害を受けた鮮魚店のいま>
田村陽一さん:「まだ残っている印が、この辺です。ここまで上がったということですね。水が」

明治時代から続く福島県本宮市の鮮魚店「田村屋本店」。阿武隈川の氾濫で1メートル以上浸水し、2500万円を超える被害を受けた。補助金や借り入れを受けて店を再開したが、その後のコロナ禍では、一時売り上げが8割減るなど厳しい5年間だった。
田村屋本店・田村陽一さんは「今までお世話になった方とかにお客さん達にもう一回、恩返しをしたいなという気持ちで頑張ってやってきた」と話す。

<被災後変わった防災意識>
被災後、店主の田村さんは防災意識が大きく変わった。
「あの後(東日本台風の後)、市の方からこういうやつ(防災マップ)が配布されまして、いつでもみられるとか、近くに置いた方が(良いと)気持ち的にはそういう事かな」と話す田村さん。あまり見たことがなかったという防災マップは棚の目立つ場所に。避難先や避難経路について、家族とよく話し合うようになった。

<大切な書類は2階に>
そして...5年前の教訓から大切な書類は2階で保管。田村さんは、ふだんから災害に備えることが命を守ることにつながると信じている。
田村さんは「災害はいつ来るか分からないという事と、分からなかった事がいっぱいあったので、自分を守るというか、現実にあれを経験した時には、一番先に考えなきゃいけないなと思いました」と話した。