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会津の魅力伝えるデジタル技術 アバターガイドにバーチャル店員がおもてなし 新しい観光体験を【福島発】

福島県会津若松市が、最新のデジタル技術を駆使して観光の魅力をアップデート。バーチャルガイドや鶴ヶ城でのAR体験にデジタル技術を活用した飲食店など、歴史と先端技術が融合した新しい観光スタイルを提供している。

<アバターを使って観光のプロが案内>
歴史と伝統が息づく福島県会津若松市。街歩きをさらに楽しくさせてくれるのが、バーチャルトラベルガイド。スマホの中から会津若松市のアバター「氏郷ちゃん」が観光案内をしてくれる。
会津若松市のことなら、なんでも教えてくれる氏郷ちゃん。その声の主は、会津若松市観光案内所のスタッフだった。会津若松観光ビューローの伊藤悠さんは「観光案内所でプロとしてやっている。今のリアルな現状をお伝えできるってところが、すごくいいのかなと思っている」と話す。
「バーチャルトラベルガイド」を読み込める二次元コード付きポスターは、会津若松市内の6カ所に掲示されていて、直接会話できるモニターも1カ所あり観光案内のプロが街歩きをサポートしてくれる。
※VIRTUAL TRAVEL GUIDE 利用時間午前9時~午後4時半

<歴史ある城でもデジタル体験>
国の内外から年間・約60万人の観光客が訪れる会津若松市のシンボル「鶴ヶ城」は、2023年4月に内装を全てリニューアルして、体験型博物館に生まれ変わった。ここでも最先端技術を駆使した体験ができる。
専用のアプリケーションを使い、天守閣でスマホをかざすと画面の中が江戸時代にタイムスリップ。さらに360度、会津若松市の観光地が表示される。観光客からは「今はないが昔あったものだから、昔のことも知れていい」「文字で読むだけだと教科書的な勉強になりがちだが、今の技術をいかしてより身近にとらえられていい」との声が聞かれた。
また、会津の偉人を紹介するコーナーでは、二次元コードを読み込むとゆかりの場所が表示される。そして、戊辰戦争当時の様子をプロジェクションマッピングで紹介するコーナーもある。

<デジタル技術で魅力的な街に>
「スマートシティ」を掲げ、デジタル技術を活用したまちづくりを進める会津若松市は、観光面の魅力もアップデートしていく。
会津若松市・観光商工部観光課の星悠斗さんは「デジタルによって交流人口を増やしていく。また、どういったものを会津に求めているかというニーズの把握もできるのかなと思っている」と話す。

<グルメも...デジタル技術で楽しむ地酒>
まちの中心部にも、最新のデジタル技術を活用したスポットがある。それが、IT企業が手掛ける飲食店「デジタル田園酒場かんます」。ここで味わえるのが、会津地方の自慢の食材を使った料理と、福島が誇る日本酒だ。
店内にずらりと並ぶ日本酒は、専用のコードをかざしてボタンを押せば自動でおちょこに注いでくれる。デジタル技術を活用することで、購入客の年代や性別から好み日本酒のデータを集め、在庫管理などに役立てている。
店長の浦川大さんは「デジタルを使うことで、出たお酒の数を一発で集計できる。そして、お客様ご自身がボタンを押して操作してお酒を注ぐので、我々の省力化にもつながり働きやすい環境になっている」と話す。
平日は店員が2人のこの店。デジタル技術で、効率と質を高めたサービスを提供している。

<接客や支払いもデジタル>
そして、この店の看板店員は、週に一日程度出勤するバーチャル店員・ほのりちゃん。SNSのチャット機能を使い交流できるので、利き酒師でもあるほのりちゃんに、銘柄の特徴や酒蔵の情報などを聞くことができる。
料金は前払い制。現金・カード・QRコード支払いも可能だが、1万人以上が利用しているデジタル地域通貨「会津コイン」で支払うこともできる。「会津コイン」利用者は、店舗の限定クーポンなどのお得な情報を受け取ることができるのでおすすめだ。

最新のデジタル技術で観光を盛り上げる会津若松市。その魅力は、これからもアップデートされる。