福島第一原発作業員の約4割が「放射線に不安」
福島第一原子力発電所で働く作業員の約4割が放射線への不安を感じていることが分かった。
東京電力は2024年9月から10月にかけて、福島第一原発で働く作業員を対象に労働環境改善のためのアンケートを実施。5498人が回答した。
この結果によると、作業をするうえで放射線に対する不安が「ある」または「多少ある」と回答した人は40.3%で、前回2023年に実施した調査から約26ポイント増加した。
このうち52.2%は不安の内容について「身体汚染」と回答。
福島第一原発では2023年10月、"汚染水"から放射性物質を取り除き"処理水"にする過程にある浄化設備で、設備の洗浄中にホースが外れ作業員2人が放射性物質を含む水で汚染される事故が発生していて、これらの事故などが作業員の不安の背景にあると見られている。
また、福島第一原発で働くことに「不安を感じている」と回答したのは全体の31.3%で、これも2023年の調査と比べ増加。理由としては「被ばくによる健康への影響」「現場での事故・ケガ・熱中症」「将来の工事量が見えないため、いつまで働けるかが分からない」「安定的な収入が保証されない」などが上位を占めている。
一方、福島第一原発で働くことに約8割の作業員が「やりがいを感じている」としていて、東京電力は「結果を重く受け止め、トラブルの発生を徹底して防止する」としている。